>  > 『ダウンタウンなう』出演の元"女囚"社長インタビュー後編「塀の中の「ルール」は熟知しております!」
シリーズ 達人に訊け 第三回 中野瑠美 後編

『ダウンタウンなう』出演の元"女囚"社長インタビュー後編「塀の中の「ルール」は熟知しております!」

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「90人が全裸」の修羅場とは

──有名な事件の犯罪者はいましたか?

中野 テレビなど有名だった犯罪者を、「芸能人」と呼びます。オ●ム真理教教祖の嫁さんもいましたが、こういう大事件の芸能人は事故防止のためか独房で、運動や入浴も一人なので、顔を合わせることはまずないですね。でも、なぜか亡くなった福田和子さんは普通に工場に出ていましたけど。
 ちなみに男子刑務所は犯罪や刑期によって施設が分かれるのですが、女子刑務所は、殺人から覚せい剤、万引きまでみんな一緒です(笑)。初犯か累犯かが簡単に分かれているくらいですよ。

──修羅場はありましたか?

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堀の中と外の世界をつなぐ架け橋として、日々奮闘中。

中野 入浴ですね。15分ですべて済ませなくてはならないので、シャワーは取り合いになります。人数分はありませんから。工場の班ごとに90人くらいでいっぺんに入るので、裸の戦いは......修羅場そのものでした。

──すごい光景ですね。うれしいことはあるんですか?

中野  やっぱり手紙と面会が一番うれしいですね。嫌なことがあっても、手紙や面会があるとがんばれる気になりました。どうしてもガマンできないことがあって、懲罰覚悟で喧嘩しようと思っても家族や主人の顔を見ると自然とガマンもできましたし、手紙で愚痴を書いてスッキリもしましたしね。

──施設の現状とビジネスの関係はいかがですか?

中野 (2006年の)法改正で、刑務所の差入の規制が緩和されたのですが、そのせいで刑務所側の手間が増えてしまって、最近はまた規制が厳しくなってきています。
 親族以外の差入ができず、ご期待にお答えできないことが増えてきてしまいました。ビジネスとしても打撃ですが、中にいる人は寂しいと思いますね。

 あとは、差入屋で売っているモノが高いことですね。百均で「3本100円」とかで売ってるようなボールペンが1本300円もしたり、ミカンの缶詰が2つで1500円とか、暴利をむさぼっているなあと思います。
 独占企業だからそうなるんですよね。もし私が国が認めてくれる業者になれるなら、安くて良い物を提供して施設内の皆さんを応援できるのに。心からそう思います。

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頼れるお姉さんとして全国走り回る「お困りのことございましたら何でもご相談ください」

 まあ差入屋さんもいろいろで、面白いところもあります。たとえば大阪拘置所の隣の差入屋で扱っている大阪長谷川商店の「珍味するめ」は「珍スル」と呼ばれて大拘名物だったのですが、なくなってしまいました。今は違う業者の製品が入っているようです。でも、以前の味を知る人は「味がイマイチ」とおっしゃいますね。ピリ辛でおいしくて、ビールが飲みたくなるので、塀の中の人にはかえって気の毒かもしれません。私も「珍スル」大好きでした(笑)。

──R-ZONE読者の皆さんに一言お願いします。

中野 刑務所には入らないほうがいいに決まってますが、何かあれば経験者として何でも相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください。
 
 将来は、「更正への切り札」について講演活動をしたいと思っています。そして、いつかは刑務所への講話・慰問の席で更生に悩んでいる方々と直接お話しさせて頂いて「未来への夢」を一緒に叶えていけたら考えております。
 
 今後ともよろしくお願い申し上げます。


(取材/文=編集部)