>  > 『ダウンタウンなう』出演の元"女囚"社長インタビュー!「塀の中に関するお困りごとは、ぜひご相談ください!」
シリーズ 達人に訊け 第三回 中野瑠美 前編

『ダウンタウンなう』出演の元"女囚"社長インタビュー!「塀の中に関するお困りごとは、ぜひご相談ください!」

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会社を立ち上げたきっかけ

──中野さんは、4月17日のフジテレビ『ダウンタウンなう』などにご出演されて注目されています。大阪府堺市で刑務所や拘置所の差入代行業をされているそうですね。

中野瑠美(以下 中野) はい。会社設立は平成24年で、現在のスタッフは3人です。
 HEART-COMPANYでは、拘置所や刑務所などの刑事収容施設で生活されている方のご家族様のお手伝いをさせて頂いています。
 ほとんどの施設では、面会は平日の9時から4時となっており、普通にお勤めされていると難しいのが現状です。
 また、宅配便や郵送で差入をしたくても、細かい規制がわからず、「差入の品物って、何が許可で何が不許可なのか全くわからない」「差入をしたけど、不許可で戻ってきてしまった」というケースも珍しくありません。
 このように、せっかくのご厚意が残念な結果になるのを何度か見てきましたので、「差入についてわからないことがあれば遠慮なく相談して下さい」という気持ちから、HEART-COMPANYを立ち上げました。

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「ダウンタウンなう」(フジテレビ・毎週金曜19:57~)出演時より。前列中央が中野さん。

 ちなみに、出演した時の『ダウンタウンなう』は、「かつて刑務所に入っていたオンナたち」というテーマでした。放送できない言葉に「ピー音」を入れるために、10分遅れの放送でした(苦笑)。私のほかに、セクシータレントの倖田梨紗さんほか薬物系犯罪の前科がある方と、美人局(つつもたせ)の共犯者として逮捕されて服役した女性なども出演されました。

失恋のショックでシャブに溺れ......

──中野さんは、服役の経験を隠されていませんよね。事情をお聞きしてもいいですか?

中野 まあ隠してもしょうがないですしね(笑)。過去の失敗を教訓にして、みんなの相談にも乗りたいと思っています。服役したのは、主に覚せい剤取締法違反でした。今の懲役囚は、8割くらいが覚醒剤の事犯ですね。
 これまで4回逮捕され、執行猶予が1回、懲役合計12年間服役生活を送りました。最初に逮捕されたのは、懲役4年6月で、当時23歳でした。

──どのような経緯だったのですか?

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中野 私のブログにも書きましたけど、実は失恋しまして。まあ裏切られたんですね。それで、ショックで何もかもが嫌になったんです。当時、自分で経営していたラウンジも2軒つぶしてしまいました......。
 そして、自暴自棄になってクスリに手を出してしまったのです。
 最初は罪悪感がありましたけど、シャブを打つと、すぐに吹っ飛びましたね。テンションがめっちゃ上がって、ツラいことを全部忘れることができました。
 最初は興奮状態が続いて3日くらい寝ないでいられたし、それに知らないうちに周りが覚せい剤使用者のグループだらけになっちゃったんです(苦笑)。
 だから、失恋の辛さなんていつの間にかなくなっちゃいましたね。その分、お酒はめっきり飲めなくなりましたけど(笑)。
 
 ちなみに、大阪では「一杯遅れ」という方法で覚せい剤を買うことができます。1回目の購入金は払わずに、2回目の購入の時に1回目の分を払うんです。で、3回目の購入の時に2回目の分を払います。
 本当に信用のある関係だけにしか、この方法では売りませんけどね。私の場合は、ある組の若頭だった兄に信用があったんです。

 でも、効き目が切れた時の罪悪感はひどいし、しんどいから5日くらいダウンして寝てしまいます。それで、また手を出してしまい......。その繰り返しですね。
 幻覚も見えました。電柱が人に見えちゃったりするんです。あとは毎日、「警察官が突入してくる」とか思っちゃって......。「見えない物」と日々戦っていましたよ(笑)。

──密売もされていたんですね。

中野 覚せい剤を使い始めた当時は「売」(バイ)はしていなかったけど「売」を始めるまでに時間はかからなかったです。周りに「覚せい剤中毒者」が多かったし、私が覚せい剤を簡単に、しかも安く持ってくるので、一瞬のうちに「患者」が増えて一挙に売人としての名前があがりました(笑)。
 次第に自分の下で働く「売り子」もドンドン増えて、隠し通帳には7ケタの数字が毎日何度も動くほどになりました。

──周囲との関係は変化しましたか?

中野 そうですね......。昔のいい友達は去っていきました。その時は全然気にもしていなかったけど、今思えば、やっぱり淋しいですね。真面目にしている今でも、その友人たちは距離を縮めてはくれないし......。
 その分、「悪友」は覚えきれないほど増えました(笑)。「犯罪」に対する罪悪感が徐々になくなり、「犯罪」が「当たり前」になっていったんです。「高級車を窃盗する人」や「強盗をする人」、「カード詐欺の人」、そして同業者の「覚せい剤の売人」まで、周りがみごとに「犯罪者」に変わりました。
 自分の気持ちも、「どうせいつかは捕まるんだから、今のうちに稼いで遊んどこう」というように変化していましたね。
 そして、何度も刑務所に行っていると、「刑務所なんて怖くないし、友達もいるし......」と開き直る部分も大きくなっていきます。今思うと、クスリで考え方がおかしくなっていたんでしょう。