>  >  > 刑務所では日々こんな手に汗握る駆け引きが繰り広げられているのだよ!
俺の、最後の獄中絵日記 第161回

刑務所では日々こんな手に汗握る駆け引きが繰り広げられているのだよ!

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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しかし刑務官ってのは、そこまでして受刑者の違反を見つけたいのかネエ


2013年(平成25年)6月15日

おーい向かいの舎房の人たちよ、狙われてるよォ──と言ってあげたいが、言えるわけないよネ。だって、ここ刑務所だから。

あの廊下を歩いてるオヤジ、どうもあの部屋だけ見方が違う。

壁に張り付いてみたり、忍び足で覗いたり、現行犯でパチろう※1としてるのがミエミエなのだ。それはもう笑えるほどに。

まあ、あの部屋の人たちは食事の好き嫌いの多い部屋で、残飯も多く出るらしい。

それで看守の目の厳しい日では残飯が多く、看守の目のゆるいときは同じメニューでも残飯なし、とくれば、自然と飯のやりとりが疑われても仕方ない。

普通は、嫌いなものだったり食欲がなければ、他の人に「どうですか?」と勧めるのは当たり前だと思うだろう?

しかし、それはシャバの常識で、ここでは通らない。

なぜかって?

だって快くあげたのか、それとも力づくで取り上げられてしまったのか、区別がつかないからだよ。

俺がここ月形来てから約半年、ここまで厳しくオヤジが見張っててもシッポをつかませないお向かいさんは、よほど旅慣れた強者が揃っているのかな。

なんとも頼もしい連中だ。

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※1 パチられる......刑務官に見られた、現認された、という刑務所の隠語