>  > 元極道が解説「似たような警察用語やけど、意味するところは結構違うよ」
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

元極道が解説「似たような警察用語やけど、意味するところは結構違うよ」

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テレビ、ラジオ、新聞はかならずしも事実を報道しているとはかぎらない。それは「嘘」を伝えているということではなく、都合の悪い情報をあえて伝えないことで世論をある特定の方向に誘導しようとしている可能性もある、ということである。そこで過去に何度もテレビ、ラジオ、新聞で「報道された側」(笑)であり、報道と事実のギャップを身を持って知っている男でもある元ヤクザ、現在作家の沖田臥龍に、「ニュースの読み方」を指南してもらう!


殺されかけるほどの陰口って、どんなや

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「5月のひき逃げ 実は"待ち伏せ" 殺人未遂だった」テレ朝news

「5月のひき逃げ 実は"待ち伏せ" 殺人未遂だった」
テレ朝news(07/04 13:55)  今年5月、仙台市で男性がひき逃げされる事件がありました。その後の捜査で、元同僚の男が意図的にはねた疑いが強まり、警察は殺人未遂の疑いで男を逮捕しました。

 逮捕された仙台市の無職・芳賀信博容疑者(47)は今年5月、仙台市内の路上で、元同僚の44歳の男性を車ではね、殺害しようとした疑いが持たれています。男性は左足の骨を折る大けがをし、警察はひき逃げ事件として捜査していました。その後、防犯カメラに車で待ち伏せをする男の姿が確認されたため、殺人未遂事件に切り替えて調べを進めていたところ、3日夜に芳賀容疑者が自首したため、緊急逮捕しました。芳賀容疑者は「陰口を言われた」「殺すつもりはなかった」と供述しているということです。テレ朝newsより引用(リンク



 ひき逃げと見せかけた殺人未遂事件と聞けば、組織的犯行の匂いがプンプンするのだが、さにあらず。

 実は、「陰口を同僚に言われたから」だけだったりする。

 犯行動機が本当に容疑者の供述通りであればこのオッサン、なんて凶暴かつ傷つきやすいオッサンであろうか。

 今回の事件、誰が一番びっくりしたかって、陰口を言っていた(かどうか定かではないが...)、被害者の方であろう。

「えええええっっっっ!! それくらいでオレ、殺されかけちゃったの!!!!!!!!!!!!」と、今頃、病院のベッドでテレビを観ながら思っているのではないだろうか。

 

 この凶暴かつ傷つきやすいオッサンの報道を聞いて、少しだけ気になったことがあった。

 それは「3日夜に芳賀容疑者が自首した」という部分である。「出頭」ではなく、あえて「自首」という言葉が使われているのだ。

 厳密にいえば「出頭」は警察が犯人を割り出した事件の犯人が警察に出向くことで、「自首」は警察が、警察が容疑者を特定できない状態のときに犯人が警察に出向く場合を指す。

 だが、自ら警察に出向いて行くという点について同じ行為であり、実際のところは相手方(お巡りさん)の捉え方と捜査の進展次第でコロコロ変えられてしまうこともあるという。

 ただ、裁判のときの情状面については、いささか異なってくる。

「自首」が認められれば減刑される確率が高くなるのに対して、「出頭」にはそこまでの効力はのぞめない(もちろん職務質問かなにかで逮捕されるよりは、有利な材料には違いないのだが)。

 そして、たいがいの場合は、「出頭」扱いにされてしまうのに、この容疑者の場合、「自首」という報道がされていたので、少しばかり気にかかったのだ。

 だって、自首が成立するということは、それだけ社会復帰も早く、このオッサンの陰口をたたくことはある意味、命がけになってしまうからね。





沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。なお、沖田の処女小説は本サイトで近日連載開始。乞うご期待!