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俺の、最後の獄中絵日記 第152回

「ガリの日」だからって別に寿司が出るわけじゃないんだよ

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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まぁ、一種のムショ用語だよね

2013年(平成25年)6月5日

ガリって、何?って聞かれたらさァ、やっぱ寿司屋の用語で生姜を意味していると思うよナ。

アガリと言えばお茶、オワンと言ったらお吸い物、サビと言ったらもちろんワサビ......みたいなサ。

しかし懲役では違うよ。

想像できるかどうか分からないけど「散髪」の意味なんだ、全国の刑務所共通でネ。

だからシャバで「ずいぶん伸びちゃったからガリしてぇナ」とか話してる奴は懲役経験者だよ。

これ、やっぱり"丸刈り"の"狩り"から来てるんだろうナ、俺が思うに、だけど。

ところで月形刑務所では毎月の月初めに、この"ガリ"が行われる。

どこも、だいたい20日に一度の割合でやるのだが、ここは月イチのようだ。

オヤジが適当に選んだ人間にバリカン持たせるんだから、出来上がりはたかが知れてる。

虎刈りだったり、長いところが一ヶ所あったり......。

まぁ、俺は誰が見てるわけでもないから、散髪係に気を使って、「もう一度!」なんて言わないけど、なかにはこれからステージにでも立って歌でも歌うのかよっていうくらいにヘアースタイルに気を使う奴もいて、「ここが......」「あそこが......」なんて、ずっといちゃもんつけてるよ。

しょせん丸坊主なのにね

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