テレビ、ラジオ、新聞はかならずしも事実を報道しているとはかぎらない。それは「嘘」を伝えているということではなく、都合の悪い情報をあえて伝えないことで世論をある特定の方向に誘導しようとしている可能性もある、ということである。そこで過去に何度もテレビ、ラジオ、新聞で「報道された側」(笑)であり、報道と事実のギャップを身を持って知っている男でもある元ヤクザ、現在作家の沖田臥龍に、「ニュースの読み方」を指南してもらう!
勘弁してくれよ兄弟......

「睡眠チョコ」で昏睡強盗 他人名義のクレジットカード9人分押収 FNN-news.comより(リンク)
「女子大生が昏睡強盗容疑 睡眠薬入り手作りチョコ 出会い系で知り合った55歳男性に」 逮捕容疑は、3日午後8~11時半ごろ、仙台市青葉区の飲食店で、睡眠薬を混入したチョコレートを男性に食べさせ、男性が寝ている間に財布から現金約2万5千円とクレジットカード2枚を盗んだ疑い。(以下略)
産経新聞ニュース2015.6.26 10:59
仙台中央署は26日、宮城県多賀城市の男性会社員(55)に睡眠薬入りの手作りチョコレートを食べさせ、現金やクレジットカードを奪ったとして、昏睡強盗の疑いで、仙台市若林区五橋、東北薬科大生、小浜翠容疑者(23)を逮捕した。
数年前のことである。その時の私もやっぱり司法の鎖につながれていて、あとから知った事件なのだが──。
私が塀の中で「行進」を強いられていた頃、20代前半の女の子の二人組が、援助交際をエサにして知り合った男性とカラオケボックスに入り、そこで睡眠薬入りの飲み物を男性に呑ませ、意識を失った男性の身包みを剥ぐ、という事件が私の地元で起こった。
二人の娘さん相手に援助交際を目論む男性にも問題があるが、それを逆手にとり、男性のケツの毛まで抜いてしまう娘たちの末恐ろしさにたまげたコトを今でもはっきりと覚えている。
もっともこの話には後日談があり、実はこの娘二人組の主犯格のほうが、私の兄弟分の妹分だったのである。
せめて私の地元でやろうとしたら止めてくれよ兄弟......。
それはさておき、この容疑者。いつも同じ居酒屋の個室に別の男を連れ込み、しかもその男たちが毎度毎度眠りこけているというのに、店員から怪しまれるとは考えなかったのだろうか。
ズサンというか、世間知らずのお嬢様というか、大学まで進学してるのに何を教わってきたのだろうか(まあ、昏睡強盗の授業はないわな......)。
そして、この事件のように、罪名に「強」がつけば、初犯でも実刑はまず免れない。医者の娘さんらしいので、親が被害弁済に走り回ってくれれば多少なりとも刑期が安くはなるだろうけれども......。
ところで、この被害者の男性(55)。大きなお世話かもしれないが、果たして彼は独身だったのであろうか。「ニ人は出会い系サイトで知り合い、この日が初対面だった」とばっちり報道されてしまったが、被害届けが離婚届けの引き金にならなければいいのだが......。
ちなみに私なら被害届の提出は躊躇すると思う。たとえ腹のムシと「息子さん」は、おさまらずとも......。
沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。なお、沖田の処女小説は本サイトで近日連載開始。乞うご期待!