>  > 緊急スペシャルインタビュー ついに工藤明男が『絶歌』問題に決着をつける!!!
工藤明男コラム出張版 工藤明男が『絶歌』について語りおろした2時間【前編】

緊急スペシャルインタビュー ついに工藤明男が『絶歌』問題に決着をつける!!!

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酒鬼薔薇と関東連合の「違い」

──元少年Aが手にする多額の印税に対し、怒りを訴える声もありますが?

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ジャーナリストの江川紹子氏もビジネスジャーナル(リンク)の連載で、被害者のご遺族に元少年Aの印税を差し押さえることができると述べている。

工藤 結局は金ですよね? 世の中の関心の大半は。ただ、ご遺族と加害者側の元少年Aとそのご両親の間では民事上の賠償金の決着はついていると思います。賠償金を全て支払い終わってはいないと思うのですが、まとまった額をいくらか支払った上で、月々の最低限の支払いで和解が成立しているはずです。なので、法律上決着のついているものを強制的に支払わせたり、同じ内容で印税を賠償金に充てさせるように訴えることは難しいようですが、倫理的にも元少年Aは印税をそちらに充当するべきだと思います。

 ご遺族に再度、訴えを起こさせるのは酷ですので、元少年Aから自発的に支払わせるべきだと思います。

──世間の感想とはだいぶ異なると思いますが、同じような時期に非行少年として犯罪を犯し、鑑別所や少年院に収容されていた工藤さんならではの意見を聞かせてください。

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オウム真理教追放運動 写真はwikipediaより引用(リンク

工藤 う〜ん。僕が少年時代に最後に逮捕されて鑑別所に収容されていた時期は、ちょうど地下鉄サリン事件が起きて麻原が逮捕された後で、酒鬼薔薇事件を知ったのもちょうど鑑別所に収容されている時期です。この二つの事件が重なってまさに世紀末感が半端じゃなく漂っていましたね。隔離された鑑別所の中にいると外での出来事って他人ごとのように思えて感心が薄れていくんですが、酒鬼薔薇事件は限られた環境なりに情報を貪るように収集しました。

──最初に酒鬼薔薇事件を知ったときは、どのような感情をいだきましたか?

工藤 どういう意味ですか?

──例えば「痛々しい」とか?

工藤 う〜ん。語弊があるかもしれませんが、当時はとんでもないことをする奴もいるもんだと思いましたね。と、同時に自分たちは性質のことなる非行少年の時代のはじまりを感じました。

──というと?

工藤 いや、僕たち関東連合とかヤンキーとかチーマーとかなんでも良いんですけど、不良少年と呼ばれるものとは異なる犯罪少年ですよね。

──不良少年と犯罪少年ってどう違うんですか? 不良少年も「犯罪を犯す」少年ですし、その意味では犯罪少年と変わらないと思うのですが。

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関東連合が引き起こした事件のひとつ 2000年9月26日読売新聞

工藤 あ、決して自分たちがやってきた喧嘩や事件を正当化するわけじゃないんですが、少なくとも僕たちは「関東連合として」とか、「仲間のため」とか、一応、大義名分のようなものがあったんです。もちろん自分たちの暴発する感情を抑えきれない側面はありましたが、何かのルールや繋がりのために喧嘩や事件を起こすことが多かったと思うんです。それが社会では間違ったルールだったり繋がりだったりする訳ですけど、ただ、自分の欲求や個人の目的で完結するような事件はほとんど起こさなかったと思います。

──というと「不良少年」は組織や仲間のために非行を犯していて、「犯罪少年」は個人の目的のために犯罪を犯していたということでしょうか?

工藤 まあ全てとは言い切れませんが、大まかにはそういう意味です。

──失礼な質問になりますが、工藤さんは万引きや窃盗をしたことはないんですか?

工藤 あ、あります。

──万引きや窃盗は個人の目的や欲求ではないんでしょうか?

工藤 これも正当化する意味では全くないのですが、万引きや窃盗をする時も友達や先輩につられてとか、バイクの窃盗も仲間とバイクに乗るためとか、そういう他者との繋がりがあってやっていたことで、一人でやることはまずないですね。だから良いと言う訳ではないのですが・・・。

──一種の共同体みたいなものですか?

工藤 そうですね。酒鬼薔薇事件を知って自分に照らし合わせた時に、あんな事件、自分一人でやるかな?って。一人でも喧嘩を売られて喧嘩をしたり、不良少年っぽいのを見つけてぶっ飛ばしたことはありますが、それは不良としての対抗意識みたいなものがあって、その背景にはやっぱり学校とか地域とかそれこそ関東連合とかの理由があるんですよ。個人で完結した形での事件なんて起こすのかな?って違和感を感じたんです。それが酒鬼薔薇事件の犯人の少年と僕たちとの違いと感じました。