>  >  > 向かいの舎房の懲役と3時間も立ち話してるなんてフレンドリーにもほどがあるでしょ
俺の、最後の獄中絵日記 第168回

向かいの舎房の懲役と3時間も立ち話してるなんてフレンドリーにもほどがあるでしょ

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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それはそれで困るんだよネ

2013年(平成25年)6月22日

なんだか夜勤のオヤジのシフトが変わったようで、メンバーがこれまでと違う。

この人たちは休みの日の昼間も舎房を看て巡ってるんだけど、そのうちのひとりが札幌刑務所から転勤でこっちに来たオヤジらしい。

俺の部屋の親方は前刑の札幌でそのオヤジの工場にいたことがあるらしく、相当に評判はよろしくないと言う。

結構年配のオヤジで、若い担当を叱り飛ばしていたりする。

そんなオヤジが俺たちの向かいの部屋の懲役を知っているらしい。

「オヤジ、またいじめないでくださいよ」なんて言うと「オウ。俺もこっちに来たらお客だしのんびりさせてもらうわ」なんてフレンドリーな会話をしている。

月形刑務所にもこんなフレンドリーなオヤジが現れたのかと思いきや、これがフレンドリーすぎて参るのだ。

平日の夜はもちろんのこと、休みの日となると、2時間3時間と向かいの舎房の前に立ち止まったまま話し込んで、動かない。

なにを言ってるのか分からないボソボソとした話し声は耳障りなだけで、だんだんイライラしてきて、俺たちの舎房も向かいの隣の舎房もパンク寸前。

なんの話があるか知らないが、話し込まれてる人も参ってるだろうよ。

ブスくれて、つっけんどんなオヤジもなんだけど、こんなべったりなフレンドリーさ満点オヤジもウザいね。


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