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俺の、最後の獄中絵日記 第138回

何もしてないのに、なぜかものすごく健康になった気分

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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最近の刑務所って意外と親切だよな

2013年(平成25年)5月22日

今日、工場の作業中に、レントゲンの胸部撮影が回ってきた。

満期出所を目前に控えた2名を残し、全員が対象者であるので、一旦、作業を中止にして廊下に整列。

点呼をとったのち、呼称番号の若い順に並んで進む。

通路の角をひとつふたつ曲がったところに、外に面したシャッターが開いていてレントゲンの車が停車している。

まずはツナギの上だけ脱いでシャツ一枚の状態に。

体重を測ってから、長テーブルに5名ずつ血圧を測る。

112─75。

その数字が良いか悪いか分からぬままレントゲン車の車体後方から乗り込んで、何度か経験のある手順で撮影。

シャバではこんなことしに病院へ行くことはまずない。

どこかが悪くなってからじゃないと、まず病院になんか行かないだろう。

それを考えたら、どこも悪くないうちから検査してくれるんだから生活自体は健全なものだ。

しかしながら単純な俺はこのレントゲンで『撮影した』ということだけで体に良いことをしてる気になってしまい、結果のほうは気にならない。

少しバカなんだろうか

いずれにせよ長生きはできないタイプなんだろうな。

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