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俺の、最後の獄中絵日記 第135回

刑務所にも座席順ってあるんだよ

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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プレッシャーなんだよ


2013年(平成25年)5月19日

ここの刑務所は、自分の座る位置、というのが毎月変わる。

年間通して表になっていて、今月5月は、

1→2→3(3名房の雑居)
2→3→4→1(4名房)
3→4→5→1→2(5名房)
4→5→6→1→2→3(6名房)
5→6→7→1→2→3→4(7名房)となっている。

これだけでわかるかな?

説明すると、数字はその房にいる人間の、呼称番号の若い順。

たとえば俺の呼称番号は「772」で、同じ部屋にいるほかの3人の番号は「709」「840」「895」だから、4名房の呼称番号2番目ということで今月は俺が一番扉側の通称"一番席"に座ることになる。

この一番席、役割があって、それは食事が運ばれてきたときに窓口で受け取る役目なのだ。

これ......、俺はやっちまうんだよ。

過去の懲役でも、必ず何回もひっくり繰り返してきた。

いつも気をつけてやってるつもりなんだけど、気を抜いた時に手を滑らせてしまう。

やっちまったら最後、オヤジには嫌みを言われ、炊場に予備の分を取りに行ってもらうまで皆メシが喰えず大ヒンシュク。

だから、ここではそんなことが絶対ないよう、臆病なほど慎重にやってる。

しかし過去が過去だけに自信がない。

ああ、早く今月、終わってくれないかな。


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