>  >  > 1000人はいるこの刑務所で、たったひとりの
俺の、最後の獄中絵日記 第133回

1000人はいるこの刑務所で、たったひとりの

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


enikki_tobira.jpg


まだまだ使えたのに


2013年(平成25年)5月17日

まったく刑務所ってやつは人のやる気に水を差すことしてくれるよ。

ボクシングの自主トレの一環として、体育館で縄跳びをやりだして4ヶ月あまり。

最初はうまく跳べずに走るより苦しかった縄跳びが、今ではずいぶん楽になった。

自分でいうのもなんだが、スマートかつ余裕で飛べるようになった。

なのに、なんてことだ! 今日、体育館へ行くと、縄跳びのロープがすべて消えているではないか!

ああ......なんてことだ。

オレのリズム感は、このあとどうやって鍛えたらいいんだ。

やる気をそがれて、またイラつく感じだ。

確かに4本あったロープのうち3本はところどころに切れたあとがあり、それを結んで直してるものだからロープがまっすぐ回らないし、残る1本もずいぶん伸びきって細くなっていたから、これもまともとはいえない。

まあ皆から見たら「使えないゴミを置くな」ってことで撤去になったんだろうね。

俺以外、撤去に反対する人間はいなかったようだ。

1000人以上懲役がいるこの刑務所で、運動時間ずっと縄跳びやってる変わり者は俺だけだったんだろうナ。


20150613.jpg