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うら若き乙女が群がる「国宝・三日月宗近」とはなんぞや

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上野の地に女子が集結......だと!?

 古くは湯島天神辺りに男娼を囲う陰間茶屋が軒を連ねた、日本でも古株のゲイタウンを擁する上野。現在は後発の新宿二丁目に若手が流れて昔馴染みばかりが残り、否応なく高齢化の一途をたどっている。
 ......などという話を持ち出さなくても、上野に大学生以外の若者のイメージはあまりないだろう。唯一集まるのは花見シーズンくらいか。
 ところが、である。桜も散ってもう梅雨が訪れようかというこの時期の上野に、若者......しかもうら若き乙女が続々集まるスポットがあるのだ。
 そこは話題のカフェでも新しいショッピングモールでもない。東京国立博物館である。

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東京国立博物館本館。手前はトーハクくん(左)とユリノキちゃんという名のゆるキャラ

 それだけでも「は?」となるのだが、女子たちの目的がさらに「は?」である。彼女たちが向かう先に鎮座しているのは「三日月宗近(みかづきむねちか)」だ。と言われても、それがなんなのかわかる人間もそうはいないだろう。
 三日月宗近とは、国宝の太刀(日本刀の一種)である。平安時代の刀工・三条宗近が制作し、室町時代の足利幕府歴代将軍や戦国時代の豊臣秀吉らの手を渡った年代物だ。平成4(1992)年に個人から寄贈されて以来、東京国立博物館の所蔵となっている。といっても常に展示されているわけではなく、前回の展示は平成24(2012)年の東京国立博物館140周年特別公開のときだった。今回は3年ぶりの展示となり、5月12日から7月20日までの期間限定公開で、普段から刀剣の展示室となっている本館13室で見学できる。
 いつでも拝めるわけではない国宝なのだから、公開されれば見たいと思う刀剣好きはもちろんいるだろう。しかし、オヤジ趣味の部類に入る刀剣に女子が群がるとはどういうわけなのか。

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トーハクくんとユリノキちゃんの背中側。あちこちアレな状態ではあるが、裏も作り込んでいるとは芸が細かい

 その疑問の答えは、今年1月にサービスを開始した「刀剣乱舞」というブラウザゲームにある。DMMゲームズが配信中で、イケメンに擬人化した刀剣を収集して戦わせる育成シミュレーションだ。これが現在、女子の間で爆発的にヒットしているのである。歴史をアレンジしたゲームはコンシューマーの戦国BASARAや三国・戦国無双などのヒットですでにひとつのジャンルとして確立しており、刀剣乱舞はその土壌にうまく乗ったといえるだろう。
 つまり、刀剣乱舞をプレイしてイケメンに擬人化された三日月宗近のファンとなった多くの女子が、「本物」の三日月宗近を見るために東京国立博物館まで足を運んでいる......という現象なのである。

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DMMゲームズ「刀剣乱舞」ホームページよりhttp://www.dmm.com/netgame/social/-/gadgets/=/app_id=825012/