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俺の、最後の獄中絵日記 第131回

懲役とサンダルとプライド

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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たかがサンダルとあなどるなかれ


2013年(平成25年)5月14日

月曜日に特別下附願いで領置中のサンダルを頼んだところ、今日早くも届いた。

"下附"って言葉は聞いたことないだろ?

そうだよね、これも立派な刑務所用語かな。

貴重品、私服、現金等、刑務所で使用できないものは"領置"といって、どこかの倉庫に保管されている。

その俺の領置品の中に、小田原の拘置所で買ったサンダルがあった。

未決囚のうちは使用できたが、受刑囚になったら「3類になるまで使用できない」ということで領置させられていた。

これを今月、俺が3類に進類したので、使いたいから領置から持ってきてくれ、というのが"下附"だ。

もちろん、刑務所で買うことのできる購入品目の中にもサンダルはあるし、無理して購入しなくとも支給された便所サンダルで別にいいんだけどさ。

どちらが良いかは好き好きだが、俺はこの私物のサンダルを履きたいんだ。

まあ、この安いサンダルを再来年、俺が出所するまで倉庫にしまっておいて、東京にお土産として持ち帰るのもバカバカしいし、なんといっても私物のサンダルを履けるのが3類のステータスなんだよ。


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