>  > 宮川大輔め
俺の、最後の獄中絵日記 第123回

宮川大輔め

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


enikki_tobira.jpg


ゴールデンウィーク最終日


2013年(平成25年)5月6日 振替休日

土曜日の6時からは『ミュージックフェア』、6時半からは宮川大輔の『青空レストラン』って番組を俺のいる雑居房では毎週観ている。

この『青空レストラン』、先週の放送では桜の葉で香り付けした北海道のチーズがなにかの世界一になったと言うことでグルメロケされていた。

このチーズ、熟成の仕方によってハードとソフトに作り分けられるらしいが、とにかく美味しそうだ。

番組の最後には「試してみたい方は<青空レストラン>で検索!」なんて出ていて、シャバなら即発注というところだろうが、ここじゃ生唾を呑み込むばかりのお預け状態。

このグルメ番組というのも、結構、観るのツライんだよね。

ところで、その番組の中で、取材されていた牧場主の奥さんがイモ団子を作る場面があった。

じゃがいもをマッシュして、小麦粉と上新粉、そして卵黄でよく練ったあと、お湯で煮ると団子になる。

刑務所ってのは月に6回のパン食の日があって、その時なぜか一緒に「ぜんざい」が出ることが多い。

そして、ここ北海道は月形刑務所では、このぜんざいの中にそのイモ団子が入っているのである。

これまでの刑務所ではこんな物が入っていたことはなく、食べると少々青臭い感じもあり、実は白玉のほうがよっぽどありがたいのだが、今では文句を言わず美味しくいただいている。

この地で味わった初のイモ団子、どうも北海道の郷土料理だったらしいのだ。

ちなみに番組ではぜんざいに入れるのではなく、焼いてチーズをかけていた。

家に帰ったら、おふくろに作ってやろう。


20150603.jpg