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俺の、最後の獄中絵日記 第122回

「再来年こそは」と心に決めた

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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ゴールデンウィーク最終日


2013年(平成25年)5月5日 子供の日

今日のカールは懐かしすぎる味で、シャバを思い出したよ。

そんな待ちに待ったスナック菓子だったのに、今日のは3分で完食だった。

終わってしまえば。こんなにあっけないものはないね。

これで今月はもう祝日もないし、来月6月は1年のうちでもっとも祝日のない月だから、7月の「海の日」までおあずけ、淋しいな。

ところで今日の昼食の、おかずの一品が柏餅だった。

毎年毎年、このこどもの日に思っていたことを、また今年も思い出した。

それはシャバに出たら柏餅を腹いっぱい食いたいってことだ。

昨年は珍しく、5月はシャバにいたのに忘れていたよ。

和菓子ってのは大福が1番かと思っていたけど、違うね。

この柏餅の餡をくるむツヤツヤな餅、この食感がたまらない。

幼い頃はこの柏餅の柏の葉の匂いも、タンスから出したばかりの五月人形の防虫剤の匂いも好きじゃなかったけど、こどもの日とは縁のない歳になると、この柏の葉の香りがなんと心地よいことか。

きっと次の5月5日も同じことを思うのだろうが、残念ながら来年の5月もまだここにいる予定。

再来年こそ、あちこちの柏餅を求めて食してみよう、食い倒れるまで。

再来年のカレンダーの5月には、忘れずでっかく"柏餅"って書いておくよ。


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