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工藤明男コラム

僕も元「少年A」だった...工藤明男が「絶歌」をとりまく現象を思う

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 元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏(39)は「元少年Aの手記を、私は評価したい」とのタイトルでブログを更新。同書を読了し、「犯した過ちから背を向け逃げているわけではなく、ちゃんと向かい合っている、と私は判断した。そうなると、彼の『体験』は極めて特異なものであり、そこから紡ぎだされる心情や考え方は『貴重なサンプル』ともいうことは出来る」

元少年Aの手記「絶歌」が物議、著名人の意見様々

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1492802.html


 自分の原稿があるから暇が出来てから読めば良いやと思っていたが、これだけ世間を騒がせていて物議をかもしているとやはり読まずにはいられなくなった。

 遺族の方々の感情はごもっともである。
 事件当時僕も少年Aだったことを思い起こすと、各著名人の方々の意見に物足りなさと違和感を感じてしまった。どの意見も決して間違っているとは思わない。いや、もっとストレートに言うと他人事のように語られる著名人のコメントに「何かちがうんじゃないか?」と元少年Aだった僕だからこそ伝えるべきことがあるように感じた。
 いつの間にか僕はこの本を読みたい衝動を抑えられなくなっていた。

 早速僕は行きつけの書店を数店回ってみたがどこも完売していた。

「僕は読む。」「読んでみないとわからないから」とブログでコメント(工藤明男から見る六本木クラブ襲撃事件と神戸連続児童殺傷事件の違いとは?)していたものの、書店の店員さんに本のタイトルを伝えるのに物凄い後ろめたさというか罪悪感にも似た躊躇いがあった。

 それは、自分では頭から否定しているつもりはなくても、世間体を気にする恥ずかしさのようなものだった。迷っていても仕方がないから、ある意味勇気を振り絞って聞いてみると、僕以外からもすでに数件の問い合わせがあったのか、答え慣らされたような即答で「売り切れです」と渇いた返答が返ってきた。
どの書店も概ねそんな反応だった。

 Amazonのレビューが平均⭐️1つで800件を超えるなど、その異常とも言える現象が反感を物語っている。

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 その反面、Amazonや楽天などのネット書店、あるいはYahooオークションでは『絶歌』が倍や三倍といった高値でプレミアム化されて販売されている。
 書店で発売されている時にまとめて数冊も買っていく人が何人もいたようだ。

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 これが現実にほかならないと思う。

 さすがに定価から高騰した書籍を買うのは馬鹿らしいし、そんなことをする人たちの懐を潤す気もない。

 仕方なく僕はR-ZONEのS編集長にお願いしてS氏がお持ちしている『絶歌』をお借りすることにした。決して僕は買うまでもないと判断したわけではない。重版されれば買ってお借りした本をS氏に返して買い直そうと思っている。僕が書籍を読む意味は、読んだものを記録として本棚に残すということでもあると思っているからだ。
 重版されるのかどうかも関心の一つではあるが。