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俺の、最後の獄中絵日記 第124回

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前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


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3類者になった


2013年(平成25年)5月7日

5月に入ったのでバッチの中身が変わる。

変わるといっても、名前の下に小さく『3類』ってハンコが押されるだけなんだけどね。

刑務所には1類から5類まであり、この刑務所にはその下の未類なんてものも存在する。

新入の俺は先月までこの未類だった。

刑が確定した翌日から6ヶ月目の次の月にこの3類ってランクに入るのだが、何が違うって月に1回、集会のときにお菓子が喰える。

およそ400円ぐらいの自腹だが、これがあるのとないのとでは大違いなわけだよ。

とくに菓子好きアイス好きジュース好きの俺にとってはね。

面会の回数もアップするけど、わざわざ北海道まで来てくれる人もいないし、さして問題にならないね。

やっぱりこの月イチの菓子が大事。

2類になると集会が月に2度になるが、2類者ってのはあまり見かけないし、まして1類者ともなると全国の刑務所にも1人もいないと思うよ。

俺がこのまま模範囚として頑張り続けても、2類に上がるにはうまくいっても2年半はかかるのが通例。

それは今回の俺の懲役には縁のない話なので、それよりも懲罰になって4類5類に落ちないよう、この3類をなんとか維持することに務めたい。

しかも毎月、集会に出られると言うことが仮釈にもつながるのだから、なおさらだ。

ちなみに昔、集会といったら、体育館の大きなスクリーンで映画観ながら菓子食ったのに、今は舎房でテレビのビデオで『ソングス』観ながら──と、あまり値打ちのないものになったよ。

しかし、府中の予算200円と、ここの400円とでは倍も違うので、どんな菓子が出るか楽しみだナ。


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