人の不幸あるところに飯のタネあり
──まずは文庫化おめでとうございます。
石原(以下石原) ありがとうございます。
──この本、タイトルどおり潜入取材先がどれも「ヤバい場所」ばっかりですね。もしかして石原さん、自殺願望でもあるんですか?
石原 まさか(笑)。普通の人が入れない場所の方がネタにしやすいですから。理由なんてそれだけですよ。
──でも、けっこう命まで持ってかれそうな話もありましたよね? イラクの爆弾テロ現場の話なんかは、爆発時に1㎞しか離れてない地点にいたわけですから......。

直後の自爆テロ現場。真っ黒に焼け焦げた路面が生々しい。
石原 イラクにはその後も取材で訪れましたが、行くたびに爆弾テロに遭遇しましたね。爆弾テロのほかにも、警察署が銃撃されたり、繁華街で発砲事件が起きたり、ドンパチなんてしょっちゅうですよ。
──仕事とは言え、そんなところへ行くのって辛くないですか?
石原 逆ですよ。むしろそういう場所の方が楽なんですよ。簡単にネタが拾えるから。
──えっ?