>  > プロの目はごまかせない
俺の、最後の獄中絵日記 第106回

プロの目はごまかせない

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。


enikki_tobira.jpg


プロの目はごまかせない


2013年(平成25年)4月19日

これまでの俺の留置場経験では、覚せい剤で捕まっている人間とアルコールで捕まってる人間では圧倒的にアルコールの奴のほうがヤバい。

薬で留置場にいるのは、たいがい職質で持ち物から出たとか、前科があるから小便採られて使用が出たというもので、おとなしいものだ。

しかし、アルコールは違う。

酒に酔ってケンカして相手にケガさせた傷害事件や物に当たった器物破損、女房に対するDV等、酒を飲むことは法律違反ではないものの、別の事件に発展、そしてたいがい本人も大ケガしていて、その多くは事件当時の事を「覚えてない」なんて言ったりする。

留置でも大声出したり小便漏らしたり、本当に面倒な奴が多いのだ。

そういうことが法務省の偉いのも判ってきたのか、現在覚せい剤事犯の懲役に対しては刑務所に長く置くよりも外で更生させようという事になってきているらしい。

初犯の裁判は、単純なものなら即決で判決が出るし、懲役の仮釈率も良くなっているらしい。

そこへ昨日、自分の女を人質にとって屋根の上に立てこもる包丁男のニュースが。

車の窃盗事件の逮捕を逃れるためのものらしいが、警官に足を撃たれて一件落着。

俺たちプロは見抜いていたよ、2人とも薬やってる事をね

酒に比べて一線越えるニュースが多いのが薬の事件。

このニュースでまたアルコール事犯の影が薄くなり、シャブの怖さのみがクローズアップされるのだ。


20150514s.jpg