前回までのあらすじ
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は現在、北海道は月形刑務所で服役中。こんなことは今度で最後!と心に決めた武二郎は、今のみじめな境遇をいつまでも忘れないために、日々の暮らしを支給された唯一のペン=ボールペン1本で描くことにしたのだった。
訴えてやる!
2013年(平成25年)4月18日
ここの医務関連は、まことに親切この上ない。
今日、削り仕事に入っていた人が"腱鞘炎"になったのか、右手の甲が少々腫れてしまった。
医務の回診でシップの投薬を願い出ると、後に再び医務が来た時は、シップを持ってくるのではなく、本人が連れて行かれた。
入院だ。
本人も入院は面倒だと断ったようだが、刑務所側が一旦出した答えだからそうはいかない。
まあ、安静にゆっくり完全に治してから帰って来て欲しいものだ。横浜の先輩だからな。
ここで比較
今回の件は、府中じゃ、シップ2枚で終わりだよ。
それも、運が良ければの話。
たいがい、サロメで終わる。
一方、ここ月形は37度の熱でも入院。
目が赤くても入院。
とにかく悪くなる前に治療、という姿勢を感じる。
悪くなってから、ようやく処置する府中とは大違い。
どんなに「辛い」と訴えても、38度を越さなければ絶対に入院させてくれないからね。
実際、肺炎にまでなってしまった奴も多い。
この前、足の皮がむけるって言ってた同房の人が、足を診せもしないうちにちゃんとしたチューブの水虫薬(白癬菌用)をもらってた。
さすが月形刑務所。
これが府中なら、週に一度、サリチル酸を湿らせた脱脂綿での消毒だけ。
当然、水虫は大感染。
まあ、あの府中でチューブの市販薬をもらえるとしたら、水虫で指がちぎれそうになった時くらいだろうな。
......自分で書いてて、腹が立ってきた。
おい! 府中刑務所! 訴えてやる。