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オリンピックは大丈夫? タトゥーイベントが警察の指導で中止に

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密かに進む刺青排除計画

 いつから日本はこんなに狭量な国になってしまったのだろう。

 大阪市の職員に対する「入れ墨調査」を「違法」とする判決が相次ぐ中、国内は明らかに「刺青排除」の方向に動いている。

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警察の「強い指導」で中止となった西日本最大級のタトゥーイベント「大阪墨祭(オオサカボクサイ)」。関係者の無念はいかばかりか。

 3月23日には日本プロゴルフ協会(PGA)が会員の刺青やタトゥーの原則禁止を発表、4月には予定されていた大阪のタトゥーイベントが「大阪府警の強い指導」により中止になった。

 都内の弁護士は「橋下市長が裁判で負けたことで、『刺青もOK』という風潮が作られるのを避ける『力』が働いているのかもしれません。しかし、過去の判例でも刺青は文化とされていますし、過度の規制は憲法第13条の『幸福追求権』にも違反します。ただ一方で、彫師さんたちは医師法違反による摘発を恐れて声を上げにくいのも事実としてありますね」と話す。

刺青=悪、なのか?

 以前から刺青には賛否あったが、海水浴場や温泉のほか「刺青を見せること」を禁止する施設も増えてきた。

「もともと罪人に入れるのが『入墨』で、物語性のある図柄を全身に彫るのが『刺青』なんですが、『刺青』に対して悪いイメージを持たれているのは残念です」

 そう語るのは、福岡市内でタトゥースタジオを経営する彫元さんだ。

「私は彫師の仲間とともに、エイズや肝炎など感染症の撲滅運動にも賛同し、衛生的な施術の普及に努めています。刺青は文化であり、芸術です。海外のトップアスリートやアーティストにもタトゥーを入れている方は多いですよね。国内でもご理解をいただきたいと思っています(彫元さん)」

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顔の入れ墨を理由に入浴を断られた ニュージーランドの先住民マオリのエラナ・ブレワートンさん

 東京オリンピックで来日するアスリートや観光客のタトゥーも取り締まるとなれば、日本は国際的に顰蹙を買うことにもなりかねない。

 13年には、ニュージーランドの先住民であるマオリの女性が「顔の刺青」を理由に北海道の入浴施設で入浴を断られていたことが大きく報じられたが、今後もこうしたことは増えると思われる。

 そもそも「おもてなし」とは何なのか。こんなことでオリンピックは大丈夫なのか、今から心配になる。


(取材/文=熊野水樹)