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俺の、最後の獄中絵日記 第33回

ヒスれば花?

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〈前回までのあらすじ〉
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は、住み慣れた?小田原拘置所から、北海道は月形刑務所へ移送されてしまう。ここ月形では、どんな出来事が武二郎を待っているのか? 待望の刑務所編スタート!


ヒスれば花?


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2013年(平成25年)1月16日

だいたいどこの刑務所も新入訓練が終わって工場に配役になる前の日に、この配役審査会っていうのがあるんだネ。

ドアの開け方、閉め方、歩き方、座り方、名前と番号の言い方に礼の仕方まで予行演習を何度もやったあと、偉いのが並んで座ってるところへ、ひとりずつ入っていく。

そこで偉いさんからの、別に聞いても聞かなくても良いような質問がひとつふたつあって、最後は「どんな工場に配役されても頑張るように」なんて感じで終わる。

初犯で東京拘置所にオチた時の配役審査会では、真ん中に女が座っていた。

その女は実に偉そうに「なんであんたは覚醒剤と関わってしまったと思うの!」なんて言うからサ、「善悪を考えずに好奇心のままに行動してしまったせいだと思います」と答えたんだ。

するとそのババアは突然「お前はなァ、覚醒剤やるための理由を探してるんだよォォォォーッ!!!」ってヒステリーを起こしたんだ。

びっくりしたなぁ。

ババアのあまりの剣幕に黙っていたら、ババアの横にいたオヤジが今度はこう言うんだ。「この野郎ッ、こんな顔作ってこれから懲役やれると思ってんのかッッ!」

もう意味わかんないし、メチャクチャだよ。

この東拘のトラウマ※1が、俺を構えさせるんだよ。

刑務官に対しては、決して気を許してはいけないってサ(笑)


※1 東京拘置所のトラウマのエピソードは連載第15回を参照のこと