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「ネウボラ」を知っていますか?

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福祉先進国フィンランドの画期的発明

 ネウボラとはフィンランド語で、「助言の場」とか「アドバイスする」といった意味。福祉先進国フィンランドにはネウボラという出産育児補助制度がある。そこには保健師が常駐しており、妊娠期から子供が小学校に入るまで無料で、健診、保健指導、予防接種のサポートをしてくれるという。

 日本国内で福祉と聞くと、誰もが老人福祉や医療福祉のことばかりを思い浮かべる。実際、介護を中心としてお年寄り向けの福祉ばかりが乱立しているが、新しい命にも福祉が必要なのは当然の事である。特に、これからの少子化や人口減にむけて、生まれた赤ちゃんたちへの福祉は重要課題となる。

 とはいえ、老人人口の増加に伴い、赤ちゃんたちのお父さんやお母さんたちは、全国の御老人たちの生活維持を背負うべく、さまざまな義務や負担を背負う事になる。そうなると、赤ちゃんの世話がこれまで以上に手薄になるだろう。高齢化社会とは、高齢者の面倒見が増えるだけでなく、新生児へ手が届かなくなるという恐ろしい現象を引き起こす可能性もあるのだ。

 お年寄りと赤ちゃん。どちらを選ぶべきか?ではなく、両方をみていかなければならない。そんな時代に誰がした?と問えば、有権者の皆さんがそうしたんでしょうと日本の政治家は言う。間違ってはいない、間違ってはいないが、当たっているとも言いたくない。

もうすぐ東京版ネウボラが始まる!

 そんな中、心あるメンバーによって東京都では2015年から「東京版ネウボラ制度」をスタートさせるという。

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日本版ネウボラが誕生するのはいつ?

 文京区では、母子保健コーディネーターを配備して、妊産婦の状況を継続的に把握しながら産前産後事業、宿泊型産後ケア事業等を行うという。担当のコーディネーターが付いて、子供が就学するまでの期間、継続して、サポートをするという仕組みだ。

 世田谷区でも同様の取り組みを開始するとの事。公式発表で「ネウボラ」とう言葉を使っているところからして、フィンランドのネウボラをベンチマークしている事は明らかである。

 しかし、ひとつ不思議に感じることがある。文京区や世田谷区といった高所得地域でそれをやって意味があるのか?ということである。それよりも住宅密集地やベッドタウンと呼ばれる、子供が大勢いる地域でやらないと効果は低いのではないだろうか? 今でも億ションが点在する、家賃の高価な文京区や世田谷区に、新婚ほやほやの夫婦が多く住むとは考えにくい。やらないよりはやった方がいいが、もっとこの制度を必要としている場所や人々がいるのではないだろうか、と考える次第だ。

 東京版ネウボラでは、ご夫婦への育児補助として現金支給も検討されているようだが、「やってますから」「あげてますから」ばかりの行政よりも、国民から本当に感謝される行政を目指すべきではないだろうか。

 とはいえ、東京版ネウボラの導入は悪いことでない。この制度が全国に広まり、各地の文化や風習に適した「日本版ネウボラ」になる事を願ってやまない。


(取材/文=藤原良)