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俺の、最後の獄中絵日記 第24回

親方大イビキ

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〈前回までのあらすじ〉
2012年10月、覚醒剤の譲渡や使用などで懲役二年四月の刑をくらった後藤武二郎は、住み慣れた?小田原拘置所から、北海道は月形刑務所へ移送されてしまう。ここ月形では、どんな出来事が武二郎を待っているのか? 待望の刑務所編スタート!


親方大イビキ


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2012年(平成24年)12月☓日

俺は、今まで雑居に四ヶ月以上居たことがない。

たいてい部屋の奴と揉めたり、懲罰行ったりで、雑居を渡り歩くうちタイミングよく独居に入ることができて、

そこで、ようやく落ち着いて生活できる、というパターンだった。

いつも部屋に恵まれないと言うか、おかしな奴のせいでケンカになったりするのだが、よくよく考えれば"おかしな奴"っていうのは俺の方だったのかもしれないけどね。

まあ、懲役となると、ことごとく色々な面で裏目に出て、ついてない事ばかりの俺。

ここに来て、またひとつツキのないのは、部屋の親方が最大級の大イビキをかく事だ。

俺もこれまで刑務所で数多くのイビキと出会ってきたが、この親方のイビキは間違いなくベスト3に入る。

親方に罪はないが、俺を含む3人が夜、飛び起きて、目を合わせたことがあるくらいだ。

正月をはさむため、通常よりも長めの新入訓練。

大変なことになってしまった。

おお神よ、この先、工場に降りた時、どうぞ部屋が静かでありますように。

イビキのない世界で、心安らかな眠りを私にお与えください。

アーメン。