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死ぬ前にやらねばならぬ事

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 昨年、とある有名な実業家が死去した。

 この実業家は生前、テレビやマスコミにも登場して、歯に衣を着せぬ語り口調で一定の評判と人気を博した。

 出版物等も多く、多くの人脈を形成していたが、晩年は、静かに暮らしていた。

 女好きで知られた人物で、週刊誌等でスキャンダルが発覚する事はなかったが、多くの女性と愛人関係を持ったとされる。

 結構、女にモテた人物だった。

 そんな実業家が死去後、残された未亡人をはじめとする遺族たちが相続や清算等を行ったが、彼の遺品の中に、家族には秘密にされていたお宝があった。

秘密の箱からコンニチワ

 それは、様々な大人のおもちゃだった。

 何種類ものバイブやローター。手錠等々。

 夫の遺品を確認するのは、未亡人である妻の役目。夫の秘密の箱を開けた妻が見た物は、ありとあらゆるアダルトグッズだった。

 どれも責め専用で使用後の物ばかり。

 しかも、妻は一度もこの手の道具を見た事がなかったという。

 死去しても尚、続々と出現する浮気証拠の品々。

 激怒した妻は「夫の物はすべてあとかたもなく処分します」と公言した。

 生きている時も散々私に迷惑を掛けたうえに死んでもまた嫌な思いをさせる夫の痕跡をすべて絶つ、として、妻は、屋敷をはじめとする所有不動産を総て売り払ってしまった。

 そんなわけで未亡人には多額の現金が入ったわけだが、夫の死去後に発見したいくつものバイブの存在から受けたショックは相当なものだったという。

 見たことも使ったこともなかったと言う。なら、いつも「生」かというとそうでもなく、その行為自体なかったのだという。

 未亡人の怒りはとても大きかった。

遺品が教えてくれる事

 この遺品騒動は、今では語り草となっており、彼を知る人たちの間ではむしろ親しみを込めて話されているエピソードではあるが、ある日、やはりこのエピソードで故人を偲んでいたところ、たまたまその場にいたあるセクシータレントが「先生は、大人のおもちゃが好きでしたからね......」としみじみと語ったことがある。

 なぜこのセクシータレントがそれを知っていたのか???

 おそらく、どこかでこの実業家にバイブを突っ込まれたからだろう。

 遺品のお蔭で、ビックリ事実がまたひとつ出現してしまった。

 遺品が生前の人物像を語る時がある。

 人生は、勿論、キレイ事ばかりではないが、時として生前の功績が妙な遺品の存在によってドミノ倒しのように倒壊する事もある。

 動産管理は突然死では対応できないが、なるべく、死ぬ前に、処分しておいた方がいいものは積極的に処分して、見つかってもいい遺品だけを残しておきたいものである。

 この実業家からは生前も死去後も学ぶ事が実に多い。


(取材/文=片瀬純友)

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死ぬ前にはパソコンデータも破壊しておきたいところ(写真はイメージです)