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不気味に増殖する「身内喰い」の若者たち

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「身内喰い」とは

 現在の若者の労働状況は酷いものだ。

 フリーターにニート、無職ばかりである。親世代と違い、学歴や資格がなければ正社員で働くことは難しい。たとえ正社員になれても、この不景気ではリストラされるかもしれないし、会社が潰れてしまうかもしれない。

 それでは、一生懸命会社に尽くそうなんて思わない。希望が持てない若者たちが増えてきたのだ。

 若者たちは金に困れば、借金をするしかない。金がなくては生きていけないからである。しかし、きちんとした立場や収入がなければ金も借りづらい。返すあてがないからである。でも金は欲しい。

 では、どこから金を得るのか──そう、身内からである。

 親、兄弟、親戚、友人、彼女などから、数千円~10万円ぐらいの金を貸してくれと何度もたかるのだ。そんなことをしていたら身内から嫌われる。返せなくて関係が壊れることもある。

 元極楽とんぼ山本氏似の浅沼(33歳・フリーター・仮名)も、そんな若者の一人だ。

 浅沼は親に金をたかりまくり勘当、彼女からも金を毎月5万円ほど借りて返さず、さらには彼女の親の年金や貯金まで毎月5万円ぐらい借りて食いつぶした。今は彼女の妹にまでたかろうとしている。

「身内から小額の金を借りるのは楽なんだよ。誰だって母ちゃんにお小遣いせびったことぐらいあるだろ。その延長線みたいなもんだ。サラ金とかは嫌だし、自分で稼げないから、身内から借りるしかないんだ」

 浅沼の言葉を否定することはたやすい。しかし、否定するだけではすまないものも、わずかながら含まれているように思える。

 確かにそうなのだ。自分の稼ぎではどうにもならない以上、最後は身内を頼るしかない。

 浅沼のようなモンスターを生み出したのは、つまるところこの日本社会なのかもしれない。


(取材/文=R-ZONE特別取材班)


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小銭のために家族や友人を失うなんてもったいない!