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俺の、最後の獄中絵日記 第18回

不幸せな週末

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〈前回までのあらすじ〉
小田原拘置支所にアカオチしたい武二郎に、横浜刑務所への移送の命令がくだる。これから14日間、この横浜刑務所で考査という名のさまざまな訓練やテストを受け、最終的にどこの刑務所に送られるか決定するのだ。はたして武二郎は再び小田原に帰ってこれるのか!?


不幸せな週末

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2012年(平成24年)12月7日

今日、週明けの刑務所移送が決まった。

いよいよ俺も刑務所に行くのだ。

それにともない、鬼のように汚いこの雑居部屋からも転房となった。

まずは恒例の領置調べだ。

週明けの月曜日に来ていく服をのぞいて、全てを袋に詰める。

タオルと石けん、歯ブラシを持って、移送前の人間だけが入る独居房に向かう。

この時、俺の他に2人の人間が同じく独居房に向かった事に、俺は引っかかった。

この2名がどこかの刑務所に送られて、俺だけ小田原拘置支所に──という事は効率の面から考えてもなかなかありえないから、これは3人揃ってどこかの刑務所に送られるという事も覚悟しておかなければならないのかもしれない。

まさか、俺は小田原拘置支所にはオチないのか......

そしてもう一つツイてない事に、平日に転房なら一晩だけ独居房で過ごしても翌日、移送で助かるが、あいにく今日は金曜日。

おかげで今晩から三日間、このテレビもない、話し相手もいない、袋に詰めてしまって読む本もない、ただの汚いだけのこの部屋で過ごさなくてはならない。

そればかりではない、この移送前の独居房は、皆、どうせ一晩限りと思い、掃除なんてしないんだろうネ、雑居の数倍汚ねェよ!

刑務所のほうでも、こんな部屋どうでもいいだろうナ。

便器が木箱だよ!

はるか昔、東拘※1の北舎と南舎がこんな感じだったけど、この横浜刑務所のほうが部屋の中に水たまりがないだけマシか。

だけど、とてもじゃないが、ここでクソはできねェ。

俺って、意外とデリケートなんだよネ。


※1 東拘......東京拘置所のこと