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密売人リューの告白  第5回

北関東中学生が愛用するドラッグとは

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 前回に引き続き、今回もリューの交遊録を紹介しよう。今回はリューの後輩筋について書くことにする。リューに「おもしろい人間を紹介する」と誘われ、北関東近郊の某都市に足を伸ばしたときのことだ。


北関東の中学生2人から話をきく

「危険ドラッグとかやってねぇよ。やったことはあるけど」
生意気そうな口調でそう話すのはジュン(14=仮名=以下同)だ。

──じゃあ、何か違うネタが流行ってるの、と記者がたずねると、

「騒ぎになるのヤだし、あんま言いたくない」
ジュンの言葉はあくまでも素っ気ない。

「別に俺らそんなんじゃねぇよ。わかってるだろ?」
その状況を見かねて、リューが取りなすように言う。そんなん=警察や教師、ということだ。確かにリューも記者も、警察でも教師でもない。むしろ、その反対側に属する人間かもしれない。

 そのことを理解したのか、ジュンはしぶしぶといった感じで話し出した。

「......シンナーっすね。シンナーはヤベェっすね」
ジュンがそう言うと、それまで口を聞かなかったジュンのツレ、レンも口を開く。

「シンナーヤベェな。赤マ●シの瓶に入っててカッケエしな。あれ一番イケてるべ」
ウンウンと頷きあう2人。

 それにしても2015年の今になって、よりにもよってなぜシンナーなのか? 話をきくと、どうやらこういうことらしい。

 地元の旧車會の先輩から「オメェら、絶対に危険ドラックなんてやンなよ!」と釘をさされ、「先輩たちの頃は何やってたんですか?」と尋ねたところ、

「そりゃあオメェ、俺らの時代はシンナーバリバリよ」

 その後、アルコールが入り、酔っ払った先輩からシンナーの入手方法から使用の方法まで、親身の指導を受けたのだという。そのパイセン、どうかしているとしか言いようがない。

「でもなぁアレ、スゲーぶっ飛ぶしマジでヤバくね?」とジュン。

「でもよぅ、あんな先輩でも生きてるしなぁ。たぶん大丈夫っぽくね?」とレン。

 きけば、シンナーを吸いながら単車に乗ることもあるという。それだけは絶対にやめておけとリューも記者も厳しく意見したのだが、果たして彼らの耳に届いたかどうか......。

リューの真顔をはじめて見る

「ああいうヤツ、今いっぱいいますよね」
帰り道の車内で、ハンドルを握りながらリューがボソッと言った。

「まわりがどう言おうが、ドラッグってヤツは一度ハマっちゃったら、自分で気づくまではやめられないものなんですよ。いくら理屈が正しくても、正論だけではドラッグはやめられません。パクられて気づくか、友達が事故で逝っちまって気づくか......。"覚醒剤やめますか? それとも人間やめますか?"っていうのは、結局、ドラッグに手を出さないように恐怖心を植えこむ教育法なんですよ。そこに加えて、ドラッグに手を出してしまった人間が、ドラッグをやめるための教育もそろそろするべきなんじゃないかって思いますね。ドラッグ密売人である自分が言うのもマンガですけどね」

 珍しくリューが、そんな心情を吐露した。リューのような人間まで危惧するということは、現在のシーンがいかに深刻かというあらわれのような気がしてならない。


(取材/文=李白虎)

 


シンナーマン.jpg

シンナーなんか吸ってるとシンナーマンが来るぞ!