せっかく北海道に行くのに、何を食べていいのかわからない。
「だったらコレ喰え!」
その名も『喰え!ログ』。海鮮からスイーツまで、北海道在住のグルメライターが北海道のリアルグルメ情報をご案内。
今回オススメするのは、札幌にあるジンギスカンの名店「八仙 すすきの店」。ジンギスカンを食べられるお店は数多くあれど、このお店は唯一無二。
店はどこだ!
地下鉄すすきの駅から客引きの波をかきわけ、南に徒歩3分。目指すはニュー美松ビル。駅からの道中、バニーガールがいたり、女子大生風のガールズバー店員が街角に立ち、私たちを子犬のような可愛い目で誘ってくるのだが、そこは我慢。後から行けるんだからと自分とアソコに言い聞かせ、ニュー美松ビルに到着。地下に降りて行くと一番奥に何やら汚そうな小さいお店が。一見さんが入りにくそうな店構え星3つ。
そう、そのお店こそ、八仙なのである。
最初のつきだしで北海道を感じる
普通、居酒屋などで出てくるつきだしと言えば、ワカメの酢の物だったり、ひじきと豆が煮込まれたやつだったり、まぁ美味しいけどお金払って注文するかというと注文しないようなものばかり。だって、つきだしだもの──と、出す方も食べる方も諦めているのがつきだし。
しかし、八仙のつきだしは違うのである! 日によって色々変わるのだが、ある日出てきたつきだしは
「タラバガニのふんどし」
タラバのふんどしって?と本州の人は思うかもしれませんが、カニのお腹の前掛け部分。コレが美味しいのなんのって。タラバガニの旨味をすべて凝縮したような味で、新鮮じゃないと食べられないふんどしを食べられるのは北海道ならでは。つきだしでこんな旨いのだから、その後のジンギスカンに期待が高まるばかり。
厚みが旨味! 八仙の塩ジンギスカン
塩ジンギスカン、通称「塩ジン」を食べないと、このお店に来た意味はまったくなし。黙って人数分を注文するべし。
出てくるジンギスカンは肉厚! ジンギスカンってこんなのだったっけ?と思う人もいるかもしれない。うすーく切られたその辺のジンギスカンと一緒にすることなかれ。そのぶ厚いお肉を七厘で焼いて食べるのが八仙流。炭火で焼くジンギスカンは、他のお店のジンギスカンとは一線を画しているのです!

「このお肉を前にすると、アナタの方が臭いですから。残念!」( ©波田陽区 )
肉厚のまま縮むことなく焼き上がったお肉に、ごま油と唐辛子がかかった白ネギを巻いて食べるのだが、はじめて食べた人の9割がこう言います。
「こんなの食べたことない!」
そう、説明のしようがないそのお肉と辛みネギのハーモニーは、「こんなの食べたことない味」なのです。
世の中の食べ物で一番ジューシーなんじゃないかっていうくらいのジューシー。口の中で肉汁ブワァーってやつ。臭みなんかもちろんゼロ! ジンギスカンは肉が臭いからイヤだ思っている人は覚えておいてください。
コレで〆なきゃ帰れない
美味過ぎるつきだしと、肉厚ジューシーな塩ジンだけでも充分にお腹いっぱいになるのだが、これを食べなきゃ〆られない。
最後、絶対に食べて欲しいのは「牛トロライス」。牛、トロ、ライス! ここまで美味しそうなワードだけで組み合わされた食べ物は「わさビーフ」以来 (R-ZONE札幌支局調べ)。
急速冷凍された生の牛肉をフレーク状にし、あたたかいご飯に乗っけて、醤油ダレをぶっかけて食べる牛トロライスは新食感! これも、塩ジン同様、「こんなの食べたことない味」。お腹いっぱいでもおかわりしたくなること必至!
牛トロライス is 別腹。すすきのの1LDK物件の大半がバストイレ一緒でも、札幌っ子の胃袋は牛トロライスに対してだけは別腹なのである!
アフタージンギスカン
でも、ジンギスカンを食べた後にすすきのでキャバクラ行ったり風俗行ったりすると、自分で思っている以上に煙で燻されていますから気をつけて!
モテたいのならばファブリーズ持参がおすすめです。
八仙すすきの店
北海道札幌市中央区南5条西4 ニュー美松ビルB1F
011-533-2228
(取材/文=佐藤大)