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憂国我道会・山口祐二郎のひとりごと

山口祐二郎が靖国神社放火犯について想うこと

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けれど、僕は青年に同情をする

 しかしその上で、靖国神社を放火しようとして逮捕された青年を、僕は放っておけない気持ちがある。

 この出来事について、正直、色々考えた。

 情報収集しても青年がどんな人間だかいまいち分からないでいる。また、犯行の動機も政治的な意図はあるだろうが、報道で知る限りでは意味不明な部分が多い。

 だが、青年は焼身自殺をしようとするまで何かを想い悩み、今回の事件を起こしたことは分かる。結果的に死ねなかったが。

 そこが過去の自分と重なるのだ。僕は平成17年に、防衛省に火炎瓶と短刀を持って侵入し、敷地内に火炎瓶を投擲し炎上させて逮捕されたことがある。この時、僕も短刀で自らの首を斬ろうと想っていたのだが、結局恐くなって死ねなかったのだ。

 事件を起こした理由は、政治的な意図はもちろんあったのだが、人生に疲れて悩んでいて自暴自棄になっていたのもある。

 青年の人物像を想像するに、昔の僕にそっくりで、どうしても同情してしまう。

青年はなぜ事件を起こしたのか

 青年が人生を懸けて事件を起こした理由は何だったのか。動機を予想してみる。

 報道で見る限り、青年は靖国神社に祀ってほしくて焼身自殺をしようとしたようだ。そこまで靖国神社を想っていながら、なぜ放火をしようとしたのか。

 僕がすぐに感じたのは、もしかしたらだが三島由紀夫の小説「金閣寺」の思想なのではないだろうかということだ。三島由起夫の小説「金閣寺」とは、金閣寺で修行している若い僧が、金閣寺に放火して自殺しようとする話である。

毎日新聞サイト.jpg

青年の事件は大きく報道された(写真は毎日新聞のサイトより引用)

 そう、小説では僧自身の若きゆえの悩みもあるが、金閣寺の本来の美のあり方を想うゆえに、焼き討ち行為に奔ったのだ。

 三島由紀夫は現実に生涯の最後は、市ヶ谷自衛隊駐屯地で米国従属な自衛隊の決起を訴え割腹自決する。右翼のカリスマとして英雄視されている。

 青年は、小説の「金閣寺」と同じことを目指したのではないだろうか。靖国神社を想うあまり、現在の靖国神社に疑問を持ち放火して命を絶とうとしたのではないだろうか。

最後に

 青年がしたことは許されない行為だが、至純な気持ちは間違いなくあったと思う。おそらく長い刑になるだろうが、青年の心安らかなることを願う。


(文=山口祐二郎)


山口祐二郎 プロフィール
1985年、群馬県生まれ。歌舞伎町ホストなどを経て、新右翼「統一戦線義勇軍」幹部に。2007年に防衛省襲撃事件を起こし、2012年に脱退。現在は作家・活動家として活躍。 著書に『ハイリスク・ノーリターン』(第三書館)などがある。
山口祐二郎の公式ブログ「火炎人間」http://yamaguchiyujiro4.seesaa.net/