「100%もうかる」カラクリ
そんな中、日本を狙った詐欺が多発している。
仕組みは、横流し大国・ロシアからM100を横流しで日本人金主に買わせ、買い取った日本人金主が中国企業に売り、その利幅で稼ぎませんか?というもの。
今なら中国側が買わないという事はまずないので不良在庫を抱える心配もない。
いわゆる「100%ビジネス」というやつである。
が、実態は詐欺である為に、話を信じて油の横流し仕入れ代金をロシア側に支払った途端に取引相手が音信不通となり日本人は全額損をする。
実に古典的な持ち逃げ詐欺でもあるが、次にあげる手口を使う為に日本人はすっかり騙されてしまう。
日本国内でこの話を広めているのは主に、中国バブル全盛期に中国人金主の代理人となって日本国内の土地建物を買い漁った日本人代理人。
またはその詐欺を働いたグループ。それから中国やロシアでの渡航滞在期間が長かった商社マンが裏バイトとして持ちかけてきたり東側思想の強い組織と関係のある人物たちが往来する。
彼らの過去の表の経歴と中国での実際の需要拡大模様が、この手の詐欺に一層の真実味を加味して、金主を落とし込む。
ロシア企業から横流し油を買い取ってそれを中国企業に転売する。決済はドルで行われる。
仕入れ量にもよるが大抵のセット価格は日本円で金額表示をすれば大体1000万から5000万ぐらいの仕入れ値で、その倍額の売値で取引されるという利幅モデル。結構な利幅である。
5000万円受け取ってドロン
で、ここが肝心だが、彼らはほとんどの場合、1度目の取引は成功させるのである。
「まずは試しに1度やってみませんか?」という事で、1000万の取引を持ちかける。
横流し燃料ではあるが、横流し取引に寛大な中国企業が実際に買い付けてくれるので取引は無事に成功。日本人のもとに確実に利益が転がり込む。
そして、双方に信用ができたという事で、2度目は大きく5000万の取引が提案される。1度目で味をしめている日本人は、仲介人を通してロシア側に即座に5000万を支払うが、今度は油の輸送が実行されない。
あっと思った時にはもうこのロシア側企業は姿をくらましている。
日本国内にいる仲介人は「私は仲介しただけ。1度目はうまくいったのに2度目でそんなふうになるなんてアナタに問題があるんじゃないですか?」の一点張り。
そもそもが横流し案件である為に表沙汰にしようもない。実力行使を挑んだとしても相手先は遠い大国・ロシアである。被害者となった日本人は泣き寝入っているのが現状だ。
取引額を小口に分けて一口いくらで同時に多数の日本人から金を騙し取っているバージョンもある。実に迷惑な詐欺である。