>  > 義賊か、それとも悪党か。 "しばき隊"とは何だったのか? シリーズ"しばき隊の真実" 第十回 (上)
第十回 鈴木信行のネクタイはなぜピンク色なのか? (上)

義賊か、それとも悪党か。 "しばき隊"とは何だったのか? シリーズ"しばき隊の真実" 第十回 (上)

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第十回 鈴木信行のネクタイはなぜピンク色なのか? (上)

 読者の皆様は、右翼という存在をどう思っているだろうか。大人の暴走族、暴力団、軍国主義など様々なイメージがあるかと考えるが、私がよく感じてきたのは右翼イコール排外主義を掲げる集団だと見られることだ。
 右翼の尊皇攘夷思想は、天皇を尊び外敵を斥けようとする思想だと捉えられてきた。しかしながら一方で、右翼は排外主義を明確に否定してきた。それは右翼が何よりも重んじる尊皇主義に、天皇陛下の下に皆平等という一君万民思想も存在するからだ。右翼と排外主義には明確な壁があった。しかしながら昨今、そうした壁を打ち壊す人物が現れた。
 その象徴的な人物が、現在『日本国民党』代表で東京都葛飾区議会議員の鈴木信行だろう。今回は、右翼と排外主義を繋いだ鈴木信行について書こうと思う。

※編集部注......しばき隊とは、差別主義者にカウンターと呼ばれる抗議行動をする『レイシストをしばき隊(2013年解散)』、『男組』、『C.R.A.C.(クラック)』、『OoA(オーオーエイ)』、『憂国我道会』などのいくつかのグループ、そしてどこの集団にも属さないでいる人々の総称である。

 右翼と排外主義を繋いだ男、鈴木信行は私が昔お世話になった先輩だ。そして新右翼団体『統一戦線義勇軍』にいた同門出身でもある。鈴木信行は1980年代から統一戦線義勇軍で反米闘争を展開。統一戦線義勇軍の幹部を経て『維新政党・新風』に入党。元々、維新政党・新風は既存右翼の流れを組む政治団体だ。右翼は国政に進出しなければならないとし、選挙に出馬をおこなっていた。鈴木信行が立候補する度に、右翼団体がポスター貼りなど総出で手伝っていた。なので、右翼団体と鈴木信行は古くからの信頼関係がある。
 だが、次第に維新政党・新風はヘイトスピーチを撒き散らす人種差別団体『在特会(在日特権を許さない市民の会)の会員との掛け持ち党員が増加をしていき、鈴木信行が代表になってからは急激に共闘関係が進んだ。次第に維新政党・新風の党員はヘイトスピーチをする人間ばかりとなり、在特会と変わらない人種差別団体になっていった。
 そうした中で、鈴木信行の名前を一躍有名にする出来事が起こる。2012年6月に韓国の在韓日本大使館前の慰安婦像に「竹島は日本固有の領土」と書かれた碑を括り付け、韓国入国禁止処分を受けた一件だろう。鈴木信行は反韓国を前面に打ち出しヘイトスピーチをしながら、右翼団体と在特会の両者から強い支持をされていった。
 鈴木信行の参加する街頭演説やデモには、右翼団体と在特会の双方が応援に駆けつける。やがて、本来であれば差別と闘うはずの右翼団体が、人種差別団体に加担するようになっていく。挙句の果てに右翼団体が、ヘイトスピーチに対して抗議をする人々に暴力を振るうまでに至ってしまった。こうした中で、維新政党・新風内部においても鈴木信行体制に反発する声が出てきた。当然であろう。
 結局、鈴木信行は維新政党・新風を分裂させ独立を宣言。維新政党・新風創始者である魚谷哲央氏より激しい怒りを買い、様々な理由から除名処分をされた。しかしその後、2017年11月。鈴木信行は東京都葛飾区議会議員選挙に立候補し当選を果たす。選挙支援をした右翼団体と在特会は歓喜をした。そうして鈴木信行は議員となり、日本国民党を立ち上げ代表に就任したのだ。
 議員として、社会的に立場のある人間となった鈴木信行。だが、そのことで鈴木信行のヘイトスピーチは収まらなかった。ソーシャル・ネットワーキング・サービスのTwitter(ツイッター)にて、梅毒が増えたのは中国人のせいなどとヘイトスピーチをおこない炎上する騒ぎを起こす。この一件は公職にある者がヘイトスピーチをしたとして、メディアにも取り上げられた。
 一体、どこが右翼なのか。単なる排外主義者だ。けれども、ほとんどの右翼団体が鈴木信行を批判し攻撃することはなかった。そう、鈴木信行は右翼と排外主義を繋ぐことに成功したのである。

山口祐二郎
1985年、群馬県生まれ。「全日本憂国者連合会議」議長、「憂国我道会」会長。作家・活動家として活躍。
山口祐二郎公式ツイッター  https://twitter.com/yamaguchiyujiro