>  > 義賊か、それとも悪党か。 "しばき隊"とは何だったのか? シリーズ"しばき隊の真実" 第七回 (上)
第七回 しばき隊内部暴行事件 戦慄の野毛ベース事件 (上)

義賊か、それとも悪党か。 "しばき隊"とは何だったのか? シリーズ"しばき隊の真実" 第七回 (上)

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第七回 しばき隊内部暴行事件 戦慄の野毛ベース事件 (上)

※注......しばき隊とは、在特会などの人種差別団体に対し、カウンターと呼ばれる抗議行動をする『レイシストをしばき隊(2013年9月解散)』、『男組』、『C.R.A.C.(クラック)』、『OoA(オーオーエイ)』、『憂国我道会』などのいくつかのグループ、そしてどこの集団にも属さないでいる人々の総称である。

 しばき隊は、ヘイトスピーチを撒き散らす差別主義者を止めるために立ち上がった。場合によっては暴力性を剥き出しにして差別主義者と闘う、手段を選ばない言わば必要悪な存在だった。
 しかし、しばき隊の持つ暴力性は差別主義者へ向かうだけではなく、時には暴発し共に活動をする仲間にまで危害を与えたことがある。2014年12月16日深夜~17日未明におこなわれた「十三ベース事件」「しばき隊リンチ事件」などと呼ばれている事件は、ネット上で話題となり鹿砦社などのメディアにも取り上げられた。
 だが、事件が起きた現場は大阪府大阪市淀川区十三ではなく北新地のようだ。十三ベース事件という表現は誤りであるが、ネット上では定着してしまっている。また、刑事事件として2名が有罪判決を受けたが一方的な集団暴行(リンチ)ではなかったようだ。けれども、被害者と加害者では暴行の共謀の有無などで争う部分があり現在も民事で裁判中だ。
 被害者のM氏が暴行された直後のボコボコにされた顔写真や、ボイスレコーダーで録音された暴行時の音声を見聞きして、しばき隊に対して多くの方々がドン引きをし異常だと感じたはずだ。
 ところが、私は動揺せず驚いてもいなかった。なぜならば、しばき隊内部でこの程度の暴行事件は、私が見てきた、もしくは聞いてきて知っている限り日常茶飯事だったからだ。純粋な想いで差別に反対している身奇麗な人たちからすれば迷惑この上ないだろう。
どうしてこのような事態になってしまったのか。それを解説するために、今回は封印されていた戦慄の「野毛ベース事件」を打ち明けたい。

 野毛ベース事件の舞台は神奈川県横浜市中区の野毛。マスコミにも頻繁に取り上げられる野毛の飲み屋街は有名で、地元民や観光客をはじめとする多くの人々で賑わっている。そうした憩いの場で、凄惨な野毛ベース事件は起こったのだ。
 恐怖の野毛ベース事件は、2015年5月3日~4日未明に発生したとされている。当日、野毛のとある店で、しばき隊の中心的な人物たち6名が宴会をしていた。清義明氏、木下ちがや氏、高橋直輝氏(後にこの事件とは関係なく死亡)、岩淵進氏(同じく後にこの事件とは関係なく死亡)、Y氏、A氏の6名だ。
 時間が経つにつれ、木下ちがや氏が泥酔する。皇室や右翼に批判的な見解を持つ、木下ちがや氏。ナショナリストを自称する高橋直輝氏と岩淵進氏に絡み出し、テーブルを引っ繰り返してグラスに入っていたビールを浴びせかける。
 立ち上がり獅子吼えをする木下ちがや氏。一触即発の事態。怒りを抑え、ぐっと堪える高橋直輝氏。目が据わり、呼吸がヒューッ、ヒューッと荒くなる岩淵進氏。今にも暴力を振るいそうな顔をしている岩淵進氏。Y氏が木下ちがや氏を注意し、岩淵進氏をなだめる。
 だが、悪酔いをした木下ちがや氏は止まらない。高橋直輝氏や岩淵進氏に挑発を続ける。そして、ついにしばき隊の暴力が発動した。木下ちがや氏に突進を開始した岩淵進氏。これは危険だ。すかさず身を呈して止めに入ったA氏。問答無用。戦闘状態に入った岩淵進氏はそのA氏を突き飛ばす。何をやっているんだ。Y氏が岩淵進氏をヘッドロックで固め、そのまま店の外に出して説教をする。頭蓋骨をミシミシと締め付けられた岩淵進氏は、己の非を認め頭を下げて謝罪をした。
 それでも木下ちがや氏は収まらない。ドヤ顔で高橋直輝氏と岩淵進氏の取り組んでいる右翼活動を否定し、怒りの導火線に点火をし発火させんとばかりに焚きつけ続ける。岩淵進氏の息遣いがブヒューッ、ブヒューッと尋常でないものとなり、激しい身震いを起こした。
 その瞬間、岩淵進氏は飲み屋のドアを破壊し、カウンター内に侵入する。置いてあった包丁を手に取り、木下ちがや氏に刃を向ける。岩淵進氏の表情は、本当に人を刺し殺しかねないものだった。カウンターにいた女性店員が悲鳴を上げた。
 悲劇の幕開けである。


山口祐二郎
1985年、群馬県生まれ。「全日本憂国者連合会議」議長、「憂国我道会」会長。作家・活動家として活躍。
山口祐二郎公式ツイッター  https://twitter.com/yamaguchiyujiro