>  > 沖田臥竜の日常エッセイ!『茜いろの日々』第11話
AbemaPrimeへ

沖田臥竜の日常エッセイ!『茜いろの日々』第11話

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

AbemaPrimeへ

先日AbemaPrimeに出演するために東京へと行ってきた。当日に急遽、麻原彰晃の三女、アーチャリーが生出演することを知り、その様子を今回も動向をお願いした担当デスクの人と楽屋で眺めていた。

実は私。ヤクザ事情に詳しいと思われているかもしれないが、オウム真理教にも少しだけ詳しかったりする。何も教団の知られざる実態を知っている、とかそんな大層なものではなく、当時TVで報じられるオウム騒動を熱心に、潜伏先のど田舎で観ていた程度のものである。

「早川いうのは、完黙の早川って言われててヤクザで言うたら舎弟頭くらいのポジションですかね。早川が落ちた(喋り出した)ときに、誰もがオウムもしまえたな、と思ったもんですよっ」

なんてデスクに熱弁していると、少しは台本にでも目を通したらどうだ、という目線を向けられながら、「ヤクザの経済事情より、オウム真理教について語らせてもらった方が良かったですね」と冷ややかに言われてしまった。
私だってそうしたい。スタジオで「これは国家による殺人ですよ!」と演技がかったアーチャリーを向こうに回し、一席だってぶってやりたかった。
だが、話が来ていないのだ。仕方あるまい。楽屋でデスクに、合ってるかあっていないか分からないオウムネタを出番まで話すしかなかったのである。

今回、お世話をして下さったTV局の北川景子さんにそっくりな女性に、スタジオに案内されるとアーチャリーのヤツ。まだ喋ってやがる。

「最後にー」というフレーズを何度聞かされたことか。
流石に共演者の溝口氏が「空気が重いね」とたまりかねたようにボソリと呟いたのだった。


出番が終わり席を立った際、横に座っていた矢口真里さんに「矢口さん、再婚おめでとうございます」と話しかけると、すこぶる愛想よく「ありがとうございますっ!まだですっ!」と返されてしまったが、その愛想の良さに「モーニング娘。のファンでした!」と心の中で呟いた。
だって、モーニング娘。が一斉を風靡した際、私は塀の中に閉じ込められていたので、その活躍ぶりをあまり知らなかったする。

その後、北川景子さん似のテレビ局の人が、見送りして下さりスタジオを後にしたのだが、私なんかにもこの女性は凄く親切なのである。て言うか、TV局のスタッフの人たち全て親切なのである。
当たり前に観ているTVだが、こういう裏方に回って仕事をしてくれている人たちがいてくれるお陰で、そのTVを観て、私たちは笑ったり泣いたりすることが出来るのだ、ということを改めて感じさせられた。

帰り道。「お疲れ様でした!」と声をかけられるので視線を向けると、気象予報士の穂川果音さんであった。自分で言うのもなんだが、私ごときである。尼崎くんだりからやってきた私ごときに、自ら挨拶して下さるのだ。私は全く穂川さんが挨拶して下さるまで、穂川さんがそこにいることを気づいていなかった。言うならば、ムシするという選択肢もあったのである。そこをわざわざ声をかけて下さったのだ。
本当に彼女は、人柄が良いのだろう。私が逆であれば、そんな田舎もんに挨拶できていただろうか。

結局、一番質問したかった蛭子能収さんへの「マージャンで金をかけないでやってる人間なんていませんよね!」と言えずじまいのまま、帰途へ着いたのであった。

●沖田臥竜(おきた・がりょう) 元山口組二次団体最高幹部。所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)。最新刊は『尼崎の一番星たち』(同)