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ー反社会勢力の後見ー

闇社会事件簿 ー反社会勢力の後見ー

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ー反社会勢力の後見ー


ここではその家族をA家としておこう。
A家は誰しもが知る一時代を築き上げた家族である。彼ら家族のサクセスストーリーは絵になった。だが脚光を浴びていた裏側にはいつも黒い影がつきまとっていたのだった。

ー恩人に対して掌返しー

「もともとAたちは、ある引退された大物親分の目に留まり、幼少期から引き立てられたんや。
その親分が親身になって売り出してくれたからこそ、Aたちは頂点へと登りつめ、名声を手に入れることができた。もちろん血のでるような努力も本人らにあったんはわかる。しかし血のでるような努力をしたから言うて誰しも名声を手に入れることが出来るかと言えばそうやないやろう」


そこには、引退した大物親分の後ろ盾があったからこそ、A家族の努力は実を結んだと、この関係者B氏は言うのだ。
「ヤクザどうこうやなしに、人には人間としての恩義ゆうもんがあるわな。
それをやな、A家は世間からスポットライトが当たるとすぐに掌を返しよった。それだけやったら、今のご時世、仕方ないかもしれん。ヤクザと縁を切る、というならそれはそれでええ。
そやけど、A家はそうやなかった。別のヤクザ組織に鞍替えしよったんや。あまりにも節操がない話とちゃうか」
興行などでA家と付き合いのあったB氏によると、A家の評判は、一部の暴力団関係者には決して良いものではないという。
B氏のいうその鞍替えにあたって、暴力団側との窓口になったのがA家の親族のX氏だったという。


X氏と面識があるという別の関係者C氏はX氏について苦笑しながら、こう話す。
「(X氏は)今時、珍しいくらいの見た目がコテコテのヤクザルックやった。もちろんカタギやねんけどな、なんの気遅れすることもなく組事務所に平気で出入りしとったし、そこでいっしゅく(ずっと)Aたちの自慢話しとったわ。
そうして親しくなった組関係者の幹部には、チケット(イベント)なんかをコソッと渡しよるねん。袖の下ゆうやっちゃ。
ただな、その場に居合わせた人間全員に配るのやったらまだ分かるけどな、(X氏は)人を見て区別しよんねん。自分にメリットある人間にしか渡さん。しかも『組長が観戦すれば顔さす(目立つ)さかい、会場行かすのは奥さんに』という念の入りようや。人としてやらしないか」
しかもこのX氏、結構"目立ちたがり"の一面もあるという。
「A家がまだ売り出し中の頃は、Z興業(X氏の会社名)とテレビで観戦していてもわかるように宣伝しとったわ。海外の興行ではイベント後に本人もちゃっかりテレビに映ってた記憶があるわ(笑)」
A家の繁栄と共にX氏が経営する事業も一気に拡大していったのだった。

そんなA家だが全盛期と比べてると、彼らの姿をテレビで観る機会が減った。
たまにバラエティ番組で見かけるくらいだ。華々しいキャリアがあり、かつては不審がられるほど某キー局でプッシュされていた彼らが、なぜ急にメディアへの露出が減少していったのか。
あるメディア関係者は、匿名を条件にこう語る。


「A家に黒い噂があるのは、誰もが知っていました。ただ、それはA家に限った話ではありません。そちらの世界とつながりのある芸能人なんてほかにいくらでもいますし、むしろバックの影響力が芸能界での発言力に反映されるケースすらあります。
シビアな話、数字を取れるか取れないか、なんですよ。商品価値があるのであれば、逮捕でもされないかぎり、逮捕される恐れがない限り、テレビ局も見て見ぬふりです。
でも数字も取れない、商品価値もないともなれば、リスクを犯してまで使う必要があるか、ということなんです。
 要するに、A家の持っている数字とリスクというのが業界の常識になってしまったんでしょうね」


ちなみにこの関係者が話す「数字」とは「潜在視聴率」のこと。これはタレントがどのくらい視聴率を持っているのかを示す数値で、大手広告代理店が三ヶ月ごとに計測してメディア関係者だけに配布するデータのことなのだという(一般には非公開)。
プロデューサーとして、いくつかの番組のキャスティング権を持っているこの人物の話は身も蓋もないくらいシビアだが、これが現場の感覚なのだろう。
ちなみにこの関係者によればA家の数字は「クールごとに下がっていた」らしいのだ。


裏社会の評判はどうなのであろうか。
「なんやかんや言うても興行の世界は浪花節の世界。恩を仇で返すような人間の面倒なんか誰が見るんや。アイツらがテレビに出ているのを観ると虫酸が走ると吐き捨てた関係者も一人や二人やないで。でも実際、過去の人ちゅう感じと違うか」
(前出B氏)

A家の繁栄と共に、隆盛を極めたX氏の企業も今では一気に衰退していったという。

(RーZONE編集部)