>  > 山口組実録シリーズ 「菱の血判」書籍刊行記念 ~ふたつの山口組、再融合が始まっている!~
日本の裏社会で今、なにが起ころうとしているのか?

山口組実録シリーズ 「菱の血判」書籍刊行記念 ~ふたつの山口組、再融合が始まっている!~

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 山口組衝撃の分裂から1年以上が経ち、当初マスコミが煽り立てていた市民を巻き込んだ大規模抗争は起こらなかった。そこで今年1月17日に書籍版『菱の血判』を刊行した藤原良氏に「ふたつの山口組の現状」をレポートしてもらった。


浸透しつつあるふたつの山口組、共存共栄への道


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写真はイメージです


 分裂騒動以降、依然として膠着状態が続く神戸山口組と六代目山口組。既に世間では「ふたつの山口組」が浸透している感もある。

 全国組織という両者の膠着という臨戦状態は、地域あるいは個人によって多少の温度差があり、総本部などの重要拠点がある京阪神地区では、直系組長を乗せた1台の高級車を3台の護衛車が、先導警戒車が前、後方警戒車が後、時として横を並走警戒車がしっかりとガードして走り抜けるという場面も多いが、東京などの首都圏では、組長が夜の繁華街に飲みに行く回数が減った程度で危機管理体制には地域によって若千の落差がある。

 ある3次団体の幹部は分裂前からの人間関係によるシノギが主であるがために、神戸と六代目に山口組が別れたからといって、以前同様の同門のよしみで、神戸派であろうが六代目派であろうが相手組織の組員たちと分裂前と同じような付き合い方をしている。その事情を知らない人が見れば、どちらかがどちらかに移籍したかのようにも見えるが、実際は「分裂状態を無視したこれまで通りの付き合い」をしているのである。

「確かに、分裂当初(2015年8月)は、立場をはっきりせなあかんから、付き合いに気を付けたり、小競り合いもあったけども、もう2年以上も経つと、シノギもあるし、金を組に入れんとあかんから、商売のできる者と組まんと、今の時代はやっていけへんからなぁ」とある幹部組員は話す。

 ようするに、遠くの身内よりも近くの他人の方が重宝されるのである。他人とはいえ、もともと付き合いのある同門の者同士であれば、まったくのヨソ者と組むよりは安全というわけなのである。つまり、3次団体の組員レベルでは分裂後の「再融合」が始まっているのである。

 六代目山口組の中心団体である三代目弘道会(竹内照明会長)は、分裂前は数千人もの組員を抱える大所帯であったが、組員たちの逮捕・離脱・移籍等により組員数を大きく減らせている。公表上はいまだに1000人規模とあるが、服役中の組員を除いて、現場で活躍できる実際の組員数は200人いるかいないかである。だが、会長の贅沢ぶりはさほど変わってはいない。だからなのか、この200人の中でも神戸派の3次団体の組員たちとの再融合がはじまっているのである。現状で、再融合した組員たちの名が知れ渡ればその者は処分されるだろうから、みな水面下で共存共栄をはかり始めている。

 先日、東京都内の某繁華街で、六代目系の組員と神戸系の組員との間で喧嘩騒動があった。これは分裂による喧嘩騒動ではなく、局地的なその場の争いであったが、六代目系の組員は、その騒動の最中、絶対に自分の組の名称を名乗ることはなかった。分裂前なら、個人事であっても、すぐに自分の組の看板を出して「名古屋関係」というのをチラつかせて相手方を黙らせるのがこの組員のいつもの手だったが、この組員がこの場で同様の手口を使うことは一切なかった。抗争厳禁を絶対としていると受け取られがちだが、実はそうではない。この喧嘩騒動はあくまでもその場の個人事であり、そんな騒動が原因でもう既に始まっている再融合の邪魔者になりたくなかったからである。

 名古屋関係というのをチラつかせれば「またかよ」「まだそんなやり方でくるのかよ」となり、この組員の事を相手にする者は町からいなくなってしまい、再融合したくても「あいつとだけは絶対に組むな」と話が広まり、再融合の対象外にされてしまう。そうなって困るのは、この組員本人である。また、この組員だけでなく、この組員が所属している団体の他の組員にも同様のイメージがつき、再融合して出来るシノギにその組全体として関われなくなってしまう。そこで、この組員は以前のように名古屋関係というのをチラつかせることはなかった。もともとは知った顔同士である。神戸系の組員らは、この組員をただちにその場から解放した。この場にいた神戸系の組員たちにも、近いうちにシノギであいつと組むかも知れない、という打算があった。

 こういった再融合現象は、激戦区である京阪神地区や中京地区よりも離れた都市だったり、ことさら、東京都内の顔ぶれの間で顕著に見受けられる。分裂後の膠着状態が続く現状では、潰し合いよりも、相手との付き合い方に変化が生じて共存共栄を目指した「再融合」という現象が発生してきているのである。六代目親分や六代目派の執行部、そして、神戸派のトップの面々は、下部組織の組員たちのこの状況をどう捉えるのだろうか?

 六代目山口組は分裂した。分裂後は膠着状態が続き、その様相は「奥深い抗争」とも言える。分裂原因については謎とされる部分も多く、その真相は闇の中とされているが、六代目山口組の分裂の裏に隠された秘密と核心にご興味がある方は現在刊行中の『菱の血判』(株式会社サイゾー)を御一読下さいますよう、ご案内申し上げます。


(取材/文 藤原良)


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