>  > シリーズ"しばき隊の真実"第四回「暴力集団と言われたしばき隊の功罪 ~離れていく人々~」
義賊か、それとも悪党か。 “しばき隊”とは何だったのか?

シリーズ"しばき隊の真実"第四回「暴力集団と言われたしばき隊の功罪 ~離れていく人々~」

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被害届という「武器」


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差別主義者へのカウンター 筆者提供


 私の想像を超え、男組は著名人も支持する暴力集団としてバッシングされる話題に絶えない組織となっていったが、本来、私は暴力は大嫌いである。ここできちんと、差別デモに対する私自身のカウンターのやり方について書いておきたい。そして今後、カウンターをする方々がテクニックとして使えるならば、よかったら実践して欲しい。

 しばき隊が現れる前も、少人数で細々とカウンターをしていた人たちはいた。しかし、中々満足のいく結果は出せていなかった。それはなぜかというと、人数的な問題もあるだろうが、右翼的なカウンターでいえば『ナショナルフロント』の持つような暴力主義のせいだろう。このことが、すぐに被害届を出す在特会などには格好の美味しい材料になってしまったのである。事実、ナショナルフロントは差別主義者を襲撃したことにより逮捕され、あまり成果を出せないまま終わってしまった。

 また、左翼的なカウンターでいえば、殴られても被害届を出さない反権力思想の人々が多かった。そのことを上手く差別主義者側に利用されてしまうのがほとんどだった。

 基本的に右翼団体は警察とべったりで仲良しである。持ちつ持たれつのような関係で、普段から活動をしている。それに比べて、反権力を掲げる左翼は、公安警察と仲が悪く、警察とはとかく敵対しがちだ。だから、右翼と左翼では全然、警察の対応が違う。在特会は私からすれば右翼ではない、ただの差別主義集団だ。でも、警察からは右派系市民団体と見られ、右翼と同じように扱われている。だから、差別デモにカウンターをしてちょっと突っ込んで小競り合いになれば、左翼のほうだけ逮捕されてしまうのだ。


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被害届のイメージ


 揉み合いになると在特会側はすぐに被害届を出すが、反権力の左翼は被害届を出さない。通常、こういった場合、双方が被害届を出して、相被疑となるケースばかりだ。相被疑とは、街での喧嘩で多いのだが双方が加害者であり被害者として訴えているようなことだ。どちらかが一方的な被害者でないということだ。つまり、被害届を双方が出すので、警察は喧嘩両成敗として立件しないために双方の被害届を取り下げさせて事件化しないで終わらせるのだ。しかし、こういったちょっとの小競り合いがあった時に、左翼は被害届を反権力のポリシーから出さない。元々、警察からマークをされているし、敵対しているから捕まえたいと思われている。待ってましたとばかりに逮捕されてしまうのだ。

 そのことを差別デモ隊側は知っていて計算ずくで挑発してくる。カウンターが差別デモ隊に突っ込んだら、差別デモ隊はここぞとばかりに被害届を出し逮捕に持ち込む。被害届を出さない左翼であれば、差別デモ隊側は殴りまくったりするなどのやりたい放題だ。差別デモ隊にダメージはないので、カウンターだけが逮捕をされて終わってしまう。どうにか、この悪循環を変えようと私は思っていた。少なくとも、カウンターの目的とは逮捕をされることではないはずだ。

 誤解しないでほしいのは、私は古くからカウンターをしていた人たちを批判しているわけではない。でも、やり方は考えなければいけないだろう。そうして私は今までのカウンターのままではいけないと考え、本当に効果的なカウンターを実践しようとしたのだ。私は非暴力を掲げ、差別主義者が手を出してきたり、少しでも小競り合いになったらきちんと被害届を出すようにした。その際には、私が何もしていないのに、差別主義者側も被害届を出していた場合がほとんどだった。

 分かりやすく言おう。小競り合いになったとする。被害届を出さないカウンターは、差別主義者が捕まらないでカウンターのみが逮捕。結果、差別主義者にダメージなし。それと違い、被害届を出すカウンターは、差別主義者のみが逮捕されるか、相被疑で双方逮捕されない。最悪の場合でも双方逮捕されて相討ちにできる。結果、差別主義者にメージ与えられる。こういうことだ。これからも私は試行錯誤をしながら新しいカウンターをやっていくだろう。