>  > シリーズ"しばき隊の真実"第四回「暴力集団と言われたしばき隊の功罪 ~離れていく人々~」
義賊か、それとも悪党か。 “しばき隊”とは何だったのか?

シリーズ"しばき隊の真実"第四回「暴力集団と言われたしばき隊の功罪 ~離れていく人々~」

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男組組長 高橋直輝という男


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『そうだ難民しよう! はすみとしこの世界』青林堂刊


 インターネットとは便利な反面、非常に恐ろしいもので、嘘デタラメがあたかも事実のように伝わってしまう。結果、インターネット上に溢れる情報は、現実世界でもそれが間違いのない事実として認識されてしまう。実際に友人や知人からも誤解されたりしたことが何度もあった。それだけインターネット上のデマは影響力があり、被害をもたらすということだ。私のように新聞沙汰の前科持ちだったりすると、すでに社会的に干されているからインターネット上でどんなバッシングをされようが全く気にはならない。けれども、これが立場ある人たちであれば別である。信用問題に関わるし、仕事にも支障が出てしまうだろう。

 実際に(脇が甘いのもあるだろうが)、カウンターをしていて、実生活に損失が出た人は結構いる。後に詳しく書くが、『はすみとしこ』の難民を差別する絵画にFacebook上で「いいね!」を付けていた人間の個人情報を収集するリスト「はすみリスト」を作っていた『C.R.A.C.(クラック)』のメンバーが逆に晒されたりしてから、しばき隊の個人情報の晒しが相次いでいる。相手が差別主義者であっても誰かの個人情報を晒せば、自らにブーメランとして戻ってくることは想定できたはずだ。

『男組』でいえば、数々の逮捕劇を起こしニュースにもなっているので、批判は免れない。

 2013年9月に新宿においての在特会側への暴行容疑で男組メンバー2名が逮捕(有罪判決)。次に、2013年11月に国会議事堂駅内で在特会側への傷害容疑で男組メンバー2名が逮捕(有罪判決 在特会側も傷害容疑で逮捕をされたが不起訴)。2014年1月には、六本木で在特会側への暴行容疑で男組メンバー1名が現行犯逮捕(不起訴)。同年5月には埼玉県川口市にて在特会側への暴行容疑で男組メンバー1名が逮捕。この件では在特会側も暴行容疑で逮捕されていて、その後は傷害容疑に切り替えての捜査となった。後に、両者共に処分保留の釈放。2014年7月には、大阪府において男組メンバーら8名が、「暴力行為等処罰に関する法律(暴処法)」容疑で逮捕(数名が有罪判決 数名が不処分)。2014年9月には、再び六本木にて男組メンバー1名が公務執行妨害罪の容疑で現行犯逮捕(48時間拘留で釈放)。そして現在も、沖縄県東村高江の米軍へリパッド建設に抗議をして、防衛局職員に対する傷害容疑などで男組組長の高橋直輝氏が逮捕拘留中だ。


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男組組長・高橋直輝氏 著者提供


 高橋氏は反差別の行動に取り組む中で、沖縄差別の問題を考えざる得なくなったという。日本には世界的に見ても異常な数の米軍基地施設が存在するが、その約7割が集中している沖縄の状況を憂いたのだろう。

 私はこれだけ逮捕者を出す男組の相次ぐ逮捕沙汰を正当化はしない。不起訴になった事件は明確に別だが、手を出してしまったことを認め有罪判決になったものについては(差別反対という大義があったとしても)暴力は許されないはずだからだ。私などが言うのはおこがましいと思うが、私が結成に関わっている男組だからこそ言わなければいけないだろう。

 男組への批判は沢山あるが、意外なのだがここまで滅茶苦茶なことをしておきながら多くの人々が評価をしてくれていることに逆に私は驚いている。それは男組の出した成果もあるだろうが、何より大きいのは高橋氏の人望だろう。高橋氏は食事をする度、酒を飲む度に男組に入る者を増やしていった。中にはスカウトしたのにろくでもない人間もいたが(私も駄目人間だが)、本当に高橋氏の人間力はすば抜けていた。その理由は、頭が切れるというよりかは、愛嬌があるところだろう。高橋氏と会って話し、男組のことを応援してくれる人々が多く出てきたのは紛れもない事実だ。著名人も少なくなかった。