>  > シリーズ"しばき隊の真実"第四回「暴力集団と言われたしばき隊の功罪 ~離れていく人々~」
義賊か、それとも悪党か。 “しばき隊”とは何だったのか?

シリーズ"しばき隊の真実"第四回「暴力集団と言われたしばき隊の功罪 ~離れていく人々~」

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街頭でヘイトスピーチをする『在日特権を許さない市民の会(在特会)』による排外デモを、怒声をあげ、中指を立て、時には暴力を使ってまで押さえ込もうとした『しばき隊』。当然、しばき隊への批判の嵐が巻き起こり、いつしか、しばき隊と在特会は同様視されるようにまでなってしまった。そんな中、しばき隊の当事者である山口祐二郎は何を考えていたのか。


※編集部注......しばき隊とは、差別主義者にカウンターと呼ばれる抗議行動をする『レイシストをしばき隊(2013年解散)』、『男組』、『C.R.A.C.(クラック)』、『OoA(オーオーエイ)』、『憂国我道会』などのいくつかのグループ、そしてどこの集団にも属さないでいる人々の総称である。


在特会としばき隊「どっちもどっち」論争


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差別主義者へのカウンター 筆者提供


 在特会のヘイトスピーチ(差別扇動表現)を撒き散らすお散歩差別デモから、新大久保コリアンタウンを守った『しばき隊』。ヘイトスピーチはメディアで取り上げられ、問題視され、社会問題化した。しかしながら在特会と同様に、インターネット上ではしばき隊もバッシングされていた。一部のメディアからも、どっちもどっち視されていた。ヘイトスピーチをして差別をする在特会と、カウンターをかけて差別を止めようとするしばき隊がお互い様に見られてしまうのは、悲しいけれど日本社会の現実である。けれども、それも私(山口)は覚悟の上だった。

 正直に言うと、どっちもどっちに見られて良いと考えていた。

 いじめを目の前でしているいじめっ子がいたら、誰かが止めなくてはいけない。けれども(実際に現実でよくあることなのだが)、いじめを止めようとした人間が悪者にされてしまうことは珍しくない。いじめっ子に絡んで怒鳴り合い、殴り合いにでもなってしまったら、大体が同じに見られてしまうだろう。だから私は損をしてでも差別を止める気迫が必要だと、最初から思っていた。そうでなければ、しばき隊の一部は刺青を出しながら差別デモにカウンターをかけていないだろう。なので私はあえて、刺青を出している写真などアップしていたし、キャバクラで豪遊している写真なども拡散していた。どう見ても私生活や容姿でいえば、在特会よりしばき隊の一部の方が悪そうだ。「どっちもどっち」ではない確信と、自らが悪党に堕ちてでも差別主義者に立ち向かう精神があったからこそできたのだ。


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キャバクラで豪遊するしばき隊 著者提供


 しばき隊の批判は増していった。ヤクザでもないのに、しばき隊は暴力団のようなレッテル貼りをされた。

 私自身でいえばインターネット上において、カウンターをおこなっている際の怒っている顔の写真を散々ばらまかれた。「左翼に寝返った右翼」だとか、カウンターで金儲けをしている、反日思想の、単なる暴力的な人間扱いされた。また、「しばき隊が朝鮮総連や韓国民団から金を貰って動いている」とか、全く根拠のないデマがまかり通るようになった。嘘である(別にそれでも全然構わないと思うが)。ほとんどの人が、普段は仕事をしていて何とか時間を作り、差別デモにカウンターをしていた。とある機関から日当が出ていたのは、私ぐらいだ。私以外の人間が金を受け取っていた事実は無いはずだ。