>  > シリーズ"しばき隊の真実"第三回「新大久保コリアンタウンを守ったのは、しばき隊だったのか」
義賊か、それとも悪党か。 “しばき隊”とは何だったのか?

シリーズ"しばき隊の真実"第三回「新大久保コリアンタウンを守ったのは、しばき隊だったのか」

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動画投稿サイトやSNSを活用することで会員数をのばしてきた"市民"団体・在特会。「発足時の会員数は約130人であったが(中略)2011年4月には10,000人に達した(wikipedeia「在特会」より)」という脅威のスピードで膨張を続ける彼らは、ついにネットの世界から飛び出し、現実社会でも差別デモをおこなうようになっていく。そんな彼らの前に立ちふさがった者がいた。『レイシストをしばき隊』である。


レイシストをしばき隊 始動


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wikipedeia「大久保」(リンク


 2012年秋から『在特会(在日特権を許さない市民の会)』による、新大久保コリアンタウンへの嫌がらせは続いた。ヘイトスピーチ(差別扇動表現)をしまくる、最低最悪な差別デモを頻繁に開催する。さらにデモ終了後は『お散歩』と称して細路地に入り、韓国コスメ店などで働く店員に対しヘイトスピーチを浴びせ、唾を吐き、店の看板をけっ飛ばすなどのヘイトクライム(差別意識に基づく暴行等の犯罪行為)までおこなわれた。

 日本と韓国の間には、領土、歴史認識など、様々な諸問題が存在するが、そのような事柄に対し右翼がおこなう活動といえば、韓国大使館に抗議をする等である。しかしながら在特会は一般の街頭にいる、在日コリアンや韓国人をターゲットにし、これ以上ないという程に排外主義をむき出しにした。まるで、批判されることを望んでいたかのように。在特会はその様子を活動動画としてネットに配信した。当然、批判は相次ぎ、炎上した。作家の柳美里氏など著名人まで、ツイッターで取り上げ問題視をした。

 この社会では、誰もが差別が良くないと教わってきたはずだ。しかしながら、在特会が街頭でおこなう明確な差別行為を警察は止められないでいた。ヘイトスピーチを取り締まる法律がなかったかもしれないが、注意ぐらいはするべきだろう。差別をされている人がいても、助けようとさえしなかったのだ。新大久保コリアンタウンはヘイトスピーチに包まれ、差別排外主義のまかり通る地獄の様相を呈した。


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差別デモvs.カウンター(新大久保)著者提供


 2013年2月。そのような状況の中で、『レイシストをしばき隊(2013年9月解散)』は始動した。レイシストをしばき隊は、在特会のデモに当初は対峙をしていなかった。最初に取り組んだのは、新大久保コリアンタウンの細路地への在特会の侵入を阻み、お散歩を防ぐことだった。差別デモ後におこなわれる在特会のお散歩をブロックするため、細路地の入口全てでレイシストをしばき隊のメンバーは待ち伏せをした。ガラの悪い連中がたむろをし待ち伏せをしているので、不審な目で街の人々から見られていた。在特会のヘイトスピーチが聞こえるので、苛立つ。今か今かと待ち構える。

 差別デモ終了後、在特会がヘイトスピーチをしながら新大久保コリアンタウンの細路地に近付いてきた。次の瞬間、レイシストをしばき隊は飛び出し、在特会の前に立ちはだかる。驚愕し慌てる在特会。苦し紛れにヘイトスピーチをおこなう。しかし、レイシストをしばき隊はそんなことで怖気づく人間たちではなかった。少しもひるまずに在特会を罵倒しまくる。細路地への侵入を許さない。レイシストをしばき隊、在特会の双方とも引かずに、歩道は騒乱状態となる。怒声が飛び交う。やがて大勢の警察が駆けつける。在特会が細路地に入りお散歩を実行すれば、両者は互いにぶつかり合い、さらなる混乱状態になることは容易に予想できた。警察は止めるはずだ。レイシストをしばき隊はすでにそこまで想定済みだった。レイシストをしばき隊は、壁になった。警察は在特会を無理に細路地に通せない。作戦通り、結果的にレイシストをしばき隊は在特会のお散歩阻止に成功したのだ。その後も、在特会は何度もお散歩を試みたが、その度にレイシストをしばき隊が現れブロックをする。そうやってレイシストをしばき隊が──どのような人間たちだろうが、褒められた手法ではなかったかもしれないが──お散歩を阻止したことは紛れもない事実である。