>  > 【宮崎学特別寄稿】田中森一氏の祥月命日によせて 「悪い者を庇う」弁護士も消えていく

【宮崎学特別寄稿】田中森一氏の祥月命日によせて 「悪い者を庇う」弁護士も消えていく

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 あの人が生きていたら......そう思う人物はたくさんいる。私もとっくにこの世を去っているはずなのだが、幸か不幸か今も亡き人をしのぶ立場である。

 その一人が、元検察官で弁護士だった田中森一氏である。2年前の11月22日に亡くなり、葬儀は行われなかった。

 長崎の貧しい漁村の生まれだったが、小さな頃から勉強ができて、特に算盤の腕前は注目されていたという。電源が不要の算盤をアジアやアフリカ諸国に広めたいという夢もあったが、その夢も潰えてしまった。

 田中氏は凄腕の検事として名をはせた後に弁護士に転身、大物の弁護人を務めて最盛期には自家用ヘリまで所有するバブル時代の象徴ともいえる人物であった。しかし、手形詐欺事件で有罪判決を受け、約5年の服役とその間の胃がんの手術も経験している。

 死因は、出所後の再発が死因とされている。手術後は調子が悪そうで、お願いしていた取材がかなわなかったことは、昨日のことのようだ。

 その波乱の人生はベストセラー『反転―闇社会の守護神と呼ばれて』(幻冬舎)等に詳しいが、とても面白い人であった。

 もっともヤクザとの関係も深かったことから毀誉褒貶も激しく、山口組顧問弁護士を務めた山之内幸夫氏は自著などでやんわりと田中氏を批判しているのは興味深い。

 そして、その山之内氏も微罪で弁護士の座を追われてしまった。残念なことである。