>  > 【職質のリアル】なぜ覚せい剤事件で、車の運転者に対する職務質問はいつも"尾灯等切れ"で始まるの?
裁判傍聴バカ一代・今井亮一が行く!

【職質のリアル】なぜ覚せい剤事件で、車の運転者に対する職務質問はいつも"尾灯等切れ"で始まるの?

この記事のキーワード:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

警察官が車を止めるときに用いる手口



1115shokusitu1.jpg

(撮影=今井亮一)



 「よこちん刑事☆実況」氏のツイッターに、「警察官は職務質問のときにウソをつくのがマニュアル化されてた」というツイート(2016年10月21日付け)がある。

 



 

 そこに載っている画像を見て俺は「うわぉ、やっぱり!」と笑ってしまった。
 画像とは、『クローズアップ実務1 職務質問』(立花書房)の表紙と、同書の中身の一部だ。こんなことが読み取れる。
 

乗車させたままの職質は,急発進されて逃走・自傷事故にも発展しかねないので,早めに降車させて行う(そのテクニックは次の[注]を参照)。

 そして次がその[注]の文言。

[注]相手を降車させる方法として,尾灯等を軽く叩きながら、『片方切れているよ。ちょっと降りて確認して』などと、(車から)降りざるを得ない状況を演出する。降りてきたら、『ああ,ついたよ。接触が悪かったんだね』と、しらをきり職質に入る(所持品検査・車内検索等)。
 

 このツイートを見る2日前に、俺は東京地裁で、警察官がまさにその「テクニック」を用いたらしい事件を傍聴した。
 事件名は「公務執行妨害、傷害」だ。
 その日は判決で、俺は途中からちらっと覗いてみたのだ。

 ちょうど、「職務質問に至る経緯」を裁判官がこう述べているところだった。以下、メモしきれなかった部分を「...」でつなぎながら書き起こしてみる。
 
裁判官 「ワキ警察官は...パトカーに乗車し...青梅街道に(停車して)警らをしていた...午前0時頃...(被告人の車両が)パトカーの右横を進行した際、車両のナンバー灯が切れていた...職務質問を行おうと考えて...追跡して停止を求め...」
 
 被告人車両を道端に停車させてどうしたか。
 
裁判官 「ワキ警察官はパトカーから降りて、同車両の運転席にいる被告人のところへ行き、ナンバー灯が切れていることを告げ、確認するよう求め...」
 
 それをきっかけに警察官は、運転免許証を提出させ、無線で照会をかけた。すると被告人には覚せい剤の「前歴」が多数あることが分かった。