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警官による暴行死がまた発生! 「行き過ぎ」と「正当な職務執行」の判断は?

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写真はイメージです


携帯電話店で暴れた暴力団員、逮捕後に死亡 群馬
 群馬県警高崎署は19日、公務執行妨害の疑いで、住所不詳、指定暴力団松葉会系組員の小見慎吾容疑者(33)を現行犯逮捕した。小見容疑者は、警察官に取り押さえられる際に意識を失い、搬送先の病院で死亡が確認された。(中略)同署によると、小見容疑者は同日午後7時半ごろ、同店でトラブルになり、「保険証がなくなった」と110番通報した。その後、駆けつけた警察官の制止を振り切って道路上に飛び出すなどしたため、7人の警察官で取り押さえたという。(後略)
産経ニュース 2016.10.20 11:45配信(リンク


ヤクザなんだから、何をやってもいい。もちろん殺してもかまわない――うーん。果たしてそれでいいんでしょうか。これは「ヤクザは悪くない」というお話ではないのです。

 10月19日、群馬・高崎市の携帯電話ショップから「客が店員ともめている」と通報があり、警察官が現場に急行すると、松葉会系の組員さん(33)が抵抗して暴れたために7人がかりで取り押さえたそうです。

 その後に組員さんは意識を失い、搬送先の病院で亡くなったことが報じられました。

 警察官にかみついたりしたので、その場で公務執行妨害の現行犯で逮捕されていたそうです。検死の結果、尿から覚醒剤の陽性反応もあったせいか、20日には高崎警察署の石井真二副署長が「正当な職務執行であり、過剰な対応はしていない」とコメントしています。

 普通に考えて、柔道とか習ってる人たちが7人も集まって1人を「取り押さえ」るものなのでしょうか。

 同様の事件は、過去にもたびたび発生していますね。

 記憶に残る事件は2003年8月の北九州・小倉で起こった事件です。綺麗なお姉さんがいる系のクラブ「ぼおるど」に手榴弾を投げ込んだ組員さんをみんなで取り押さえたら死んだという件です。警察官は暴行に加わってなかったとのお話ですが、目撃情報があったと聞いています。

 そもそも最初は「取り押さえられた直後に舌を噛んで自殺」と発表されていたのに、その後に「もみ合いの最中に胸を強く打って圧死」と変更されています。でも、遺体を確認されたご遺族(医療関係者)によると、「顔中が赤黒く鬱血し、首が90度内側に折れ曲がって折れていた」そうで、かなり「異常だった」とのことでした。

「ヤクザだから、みんなでボコって殺してもいいと思ったんですね」と言われてもしかたない事件です。

「被害者」はヤクザだけではありません。最近では、07年に佐賀県警の警察官に取り押さえられた直後に知的障害者(当時25歳)が死亡、10年3月にオーバーステイのガーナ人男性(同45)が強制送還される際に離陸前に死亡、13年2月には北海道の北見市で道交法違反容疑で現行犯逮捕された男性(同40)が死亡、11月には鹿児島県警の警察官数人に鹿児島市内の男性会社員(同42)が取り押さえられ、その後死亡するなどの例があります。ガーナ人男性の事件では国の責任が認められていますが、こうした例はほとんどありません。

「捜査の行き過ぎ」と言うのはムリで、なんでこんな明らかな「殺人」が横行するのか、我らが道警の元エース、稲葉圭昭さんにお聞きしました。


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元北海道警警部・稲葉圭昭さん

「自分の経験からいうと、こういう時の警察官たちはかなり興奮してます。もう(事件があって現場に急行する)『緊急走行』だけでも緊張してアドレナリン出てる。そうなると、コントロールできないから、誰かの血を見ないとおさまらないんじゃないのかな。報道だけではわからないけど、高崎の事件は7人に1人って、ひどいね。オレも現役時代はヤクザをボコるのはしょっちゅうだったけど、1対1でやってたから(笑)」

 なるほど、「悪い人が暴れている」→「現場に急行」→「集団ヒステリー」→「つい力を出し過ぎ」のような感じなのでしょうか。それにしても手加減をわからないなんて、プロじゃないと言わざるを得ません。

もはや「ワルモノには何をしてもいい」という空気ができてしまっていますが、警察にはぜひ再発防止をお願いしたいです。




(取材・文=吉原美姫)




吉原美姫
よしわらみき/『実話ナックルズ』や今はなき『実話時報』などで日本社会の裏事情を取材。「いわゆるフツーの媒体で書けないことを書いていきます」