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元四次団体組長・張恭市の「喜多方の帝王のすべらない話」

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とある大手暴力団(日本でいちばん有名なあそこですね)からスッパリと足を洗い、現在は被災地復興のため日々汗を流す「喜多方の帝王」こと張 恭市。そんな福島在住の張が被災地の現況から刑務所の実態まで、ヤバすぎるリアルな話を大いに語り尽くします!


帝王喜多方のすべらない話「猿とナカジー」


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 刑務所用語で、『千三つ』と言う言葉がある。

 これは何もせんだみつおの愛称ではない(笑)。

 どこの刑務所、どこの工場に行ってもそうなのだが、塀の中には嘘つきがやたら多い。

「ワシは五代目(山口組組長)の遠縁なんやで」

「俺が出所したら、200人の若い衆が出迎えに来て、ロールスロイスで迎えに来るんだ」

 こんな事を抜かす奴に限って、所持金ゼロで、日用品全て官物支給の物を細々と使っている。

 こういう嘘つきな奴等の事を『千三つ』と言うのだ。

 ちなみに『千三つ』の由来は、1000個話をしたら、その中で本当の話は三つくらいしかない、という嘘つき男を意味する。

 笑える嘘話ならばその場も和むものだけど、くだらない嘘や人を傷つけるような嘘はトラブルの原因であり、塀の中では御法度なのだ。

 実際に、「五代目山口組の遠縁だ」と言っていた者は、あまりにも大風呂敷を広げすぎ、嘘がめくれた瞬間に工場内の現役の人間達から総攻撃を喰らって出所までの間、独居に逃げていた。

 見栄を張りたいがために己の首を絞め、挙げ句、作業拒否を繰り返して処遇上独居生活となっていた者を私は何人も見てきた。

 塀の中では、ちょっとした言葉の間違いや軽い気持ちで話した嘘も命取りとなる。

 そんな中、逆に私は、嘘のような本当の話で同囚の者から爆笑をとる人気者だった。

 今回はその中でも、一番ウケていた話をひとつ披露させていただこう。