>  > 菱のカーテンの向こう側102「五代目工藤會のスポークスマンに無期懲役求刑」
日本の裏社会で今、なにが起ころうとしているのか?

菱のカーテンの向こう側102「五代目工藤會のスポークスマンに無期懲役求刑」

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紫川と小倉城


工藤会系幹部射殺事件で、組長に無期懲役を求刑 福岡地裁
 特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系組幹部の射殺事件で、殺人罪などに問われた同じ組の組長、木村博被告(63)と、幹部、渡部公章被告(43)の公判が7日、福岡地裁(松藤和博裁判長)であり、検察側は木村被告に無期懲役、渡部被告に懲役18年を求刑した。(中略)
 起訴状によると、2人は平成20年9月、ほかの組幹部らと共謀し、福岡県中間市で安高毅幹部=当時(66)=の胸などを拳銃で撃ち殺害したとしている。
産経WEST 2016.10.7 11:54


「ちょうど木村組長が工藤會の幹事長から理事長代行に就任したばかりのことだったと思うが、六代目山口組のある有力二次団体を訪れて、意見を交換したことがある。木村組長は、国家権力の行き過ぎた捜査方法を非難するとともに、拘留中だった野村悟総裁、田上文雄会長の留守をしっかり守ると力強く語っていたのが印象的だった」(関係者)

 これはむろん工藤會を含む九州四社会が六代目山口組との友好関係を凍結させる前の出来事であり(2015年10月17日に、工藤會、道仁会、太州会、熊本會からなる九州四社会は六代目山口組と交際しない方針を固めたむねを表明)、逆に工藤會は、草野高明 工藤會二代目会長からの縁で、六代目山口組二代目伊豆組とは親戚関係にあったと言われている。

「留守を守る」そう力強く言っていた木村組長に捜査の手が伸びるのに、大した時間はかからなかった。

 2015年1月26日、木村組長は恐喝未遂と暴力団対策法違反(警戒区域における不当な要求行為)の疑いで逮捕される。容疑は、2014年7月と8月に津川組が入る同市内のビルの所有者親族に対し「ビルは工藤会のものやけんね」「会に事務所をただでくれ」などと言い、ビルを脅し取ろうとした疑いというものだった。

 この時、関係者たちは、この逮捕劇をどのように捉えていたのだろうか。あくまで嫌がらせに過ぎない微罪逮捕か、それとも本丸に踏み込む前の引きネタ(別件逮捕)か。

 大方の者は前者を予想していたが、蓋を開けてみたら、待っていたのは恐喝未遂などとは比較にならない重罪容疑による起訴だった。

 木村組長率いる津川組の相談役を射殺した事件に関与した疑いで起訴されてしまったのである。

 そして、その裁判が結審し、去る10月7日に論告求刑が言い渡された。

 検察側は木村組長を「首謀者として多数の配下を巻き込んだ。組織的かつ残忍で、暴力団特有の犯行」と非難、無期懲役を求刑したのである。

 この求刑に対して、ある関係者はこのように話している。

「一人の殺人を教唆しただけでも国家権力は無期を言い渡すぞ、という意思の表れではないか。つまり、それ以上の事件に関与していれば、有無も言わさず極刑(=死刑)ということだ。そして、この木村博 理事長代行の判決が今後、野村総裁や田上会長の判決に対しての判断基準になるのではないか」(関係者)

 これを判例にされてなるものかと最強の弁護団を形成し、徹底抗戦の姿勢を見せる工藤會上層部。そして、容赦ない権力をふりかざす当局サイド。

 注目の判決は31日、福岡地裁で言い渡される。




(取材/文 R-ZONE関西取材班)


このコーナー「菱のカーテンの向こう側」では連載100回を記念して新企画が現在進行中です。詳細は近日発表予定。ご期待ください。