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ヤバすぎるアンダーグラウンドエッセイ from 東北

元四次団体組長・張恭市の「喜多方の帝王、刑務所時代を振り返る」

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とある大手暴力団(日本でいちばん有名なあそこですね)からスッパリと足を洗い、現在は被災地復興のため日々汗を流す「喜多方の帝王」こと張 恭市。そんな福島在住の張が被災地の現況から刑務所の実態まで、ヤバすぎるリアルな話を大いに語り尽くします!


塀の中の「発明王」


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写真はイメージです


 塀の中での娯楽は限られており、その中でも舎房の中でやれることと言えばラジオを聴いたりテレビを見たり、読書をしたりと人それぞれ。

 対戦ゲーム的なものとしては、囲碁や将棋もある(オセロが置いてある講堂や工場の食堂もまれにはある)

 実にシンプルで古典的ではあるけれど、これがかなりアツくなるらしく、長期刑の懲役の中には、名人の域に達するほど上達する者も少なくない。

 ただし、「あれもダメ」「これもダメ」といちいち規則が厳しい刑務所の中。囲碁や将棋をやるだけでもいろいろと決まりがある。

 土、日、祝祭日の免業日には午睡という時間があり、刑務官が午睡の合図を出すと夏は直に、冬場は布団を敷いて横になったり本気で寝ても構わない時間があるのだ。

 そして、その時間帯は、囲碁や将棋をやってはいけないという規則があり、それを破ると懲罰の対象となり、取り調べのため即座に連行となる。

 その理由は、将棋を指すときの音。寝ようとしているのに将棋の音がうるさいと口論になり、同囚同士の喧嘩が勃発した事犯が後を絶たなかったため、やむを得ず午睡の時間は囲碁、将棋禁止となってしまったのだ。

 また、他人が囲碁、将棋を楽しんでいるときに第三者が覗き見ることも固く禁止されている。

 そんな細かいことまでなぜ?と不思議になるが、これも隣で傍観していた同囚の者が、「そこじゃない、あそこに置けばいいのに!」とか、「俺なら、そこはそうやらずにこうやるんだけどなぁ」と口を挟み、余計な口出しをしてそこから口論となり喧嘩となるのだそうで、喧嘩とならないために当事者以外の第三者の観覧は禁止となっているのだそうだ。

 こんな些細なことまで規制され、やりたいこともやれないのが懲役の悲しい宿命なのだ。

 しかし、ヤクザ=博打打ちが多い刑務所の中。今日もどこかで晩飯のメインのオカズや祝日に出る特食、一ヶ月250枚と使用が制限されているちり紙を賭けて、賭け将棋をやっているに違いない(笑)。

 規則規則と厳しい刑務所の中でも、限られた物を最大限に使って遊ぶのが、懲役たちの悪知恵なのだ。

 その懲役たちが悪知恵を働かせて開発した、まさにノーベル賞もの(笑)の巧みな技を紹介したい。