>  > 【裁判所24時】「クルマは他人に貸してあった〜」と言って出頭を断れば逃れられるのは都市伝説
「今井亮一の交通違反バカ一代」R-zone出張版

【裁判所24時】「クルマは他人に貸してあった〜」と言って出頭を断れば逃れられるのは都市伝説

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逆に警察を怒らせてしまいますよ

  
「スピード違反検知、出頭要請を8回無視 容疑の男逮捕」
法定速度60キロの都道を171キロで走行したとして、警視庁は1日、東京都品川区西大井5丁目の無職■■学容疑者(39)を道路交通法違反(速度超過)容疑で逮捕し、発表した。■■容疑者は捜査には協力しないという上申書を提出し、警視庁からの8回の出頭要請を無視していたという。
 交通執行課によると、■■容疑者の逮捕容疑は2014年12月5日午前3時半ごろ、江東区の東京港臨海道路で法定速度を111キロ超過して乗用車を運転したというもの。速度違反自動取り締まり装置(オービス)で検知されたという。
 この違反について事情を聴くため、警視庁が■■容疑者への書類の送付や自宅の訪問で出頭を求めたが、応じなかった。■■容疑者は「上申書を出せば、違反を逃れられると思った。免許停止になるのが嫌だった」と話しているという。

(6月1日付け朝日新聞より。■■部分は今井氏により伏字。)


 オービスは、通過する車両の速度を次々と測定し、測定値が「設定速度」以上だと赤いストロボを光らせて撮影する。
 設定速度は、一般道では少なくとも超過30キロ以上だ。警察のほうで設定を変えることでき、40キロや45キロくらいの場所もある。

 撮影後、写真に写ったナンバーから車両の持ち主(多くの場合は違反者自身)を調べ、郵便を出して違反者を警察へ出頭させ、取り締まる。
 これに対し、
「クルマは他人に貸してあった。誰に貸したか、捜査に協力する気はない。出頭しない」
 などと手紙を出せば逃れられる、という話が昔からある。

 オービスは、電源を入れておけば次々に違反車両を撮影する。警察は面倒なケースを後回しにすることがある。何十件もの捜査書類を放置して懲戒処分を受けたとか報道されることもときどきある。

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本件と同型の東京航空計器の「オービスⅢ」。(撮影=今井亮一)

 しかし、出頭を断る手紙を出すってことは、「警察からの呼び出しの郵便が確かに到達しました」と報せることを意味する。
 また、上記のような手紙の内容が事実とすれば、犯人隠避(刑法第103条、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金)になりかねない。たとえば殺人事件の現場に遺留されたナイフの持ち主が「ナイフは貸した。誰に貸したか捜査に協力しない」と宣言するようなものだ。

 それに、そもそもオービスには運転者=違反者の顔がばっちり写っているのだ。「貸した」というのが本当かどうか、たちまちバレる。

 そうした手紙を送りつけてくる者を放置すれば、「手紙で逃れた」とか武勇伝をネットに書き、マネする者が続出しかねないという問題もある。

 そこで、警察はかえってファイトを燃やし、逮捕して実名報道、見せしめとする、ということはある。