>  > 山口祐二郎が日本に住むイスラム教徒に会ってきた
憂国我道会・山口祐二郎の「行動する若者たち」シリーズ

山口祐二郎が日本に住むイスラム教徒に会ってきた

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はじめに


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wikipedia「イスラム教」より スルタンアフメットモスク(リンク


 日本は古来から多宗教の国である。神道と仏教が融合し、その宗派・信仰対象は雑多に分かれている。節句や七五三、地鎮祭などには氏子として神道の儀式をえらび、死にさいしては檀家として仏教寺院に葬儀・法要を営んでもらう。明治維新の廃仏毀釈、敗戦による国家神道の否定によって今では分散的になっているが、かつては神仏習合として渾然一体となっていたという。

 その一方で、信仰の唯一性をもとめる法華宗やキリスト教も排除することなく、日本人は受容してきた。そして数多くの教派神道や新進仏教、キリスト教の諸宗派、イスラム寺院――――。
 
 逆に言えば、このように雑多な宗教が乱立する日本は、いわば無宗教の国でもある。何となく神社で祈願をしたり、仏教寺院に先祖のお墓参りをしたり、教会で結婚式をおこなう人も多い。クリスマスにハロウィーンを、節会と同じようにイベント化する。そこには信仰心と呼べるものはないだろう。

 したがって、日々の礼拝を欠かさないイスラム教、欧米世界と「文明の対立」を引き起こすイスラム世界を、とうてい理解することができない。日本ムスリム協会によれば、在日ムスリム(イスラム教徒)は10万人いるとされているにもかかわらず、である。

 そんな日本国内にも、イスラム教を信仰するムスリムの日本人青年は少なくない。名前は安室サラムさん(洗礼名 25歳 接客業 ※データは2015年秋のインタビュー当時のもの)外見は小柄な優しそうな青年だが、洗練された隙のない表情、研ぎ澄まされた肉体は、まさに宗教家の風貌だ。

 安室さんの所属する『ダールルハック』は、2012年に神の霊示を受けた宮内春樹氏によって設立された。日本におけるイスラムの布教と帰依者の相互扶助、および切磋琢磨のコミュニティーを目指す団体だという。

 私の知る日本で有名なムスリムといえば、イスラム法学者で元同志社大学客員教授の中田考氏である。中田氏とイスラム諸国のムスリムとのつながりは本当に深いと感じる。

 2015年初旬に全国ニュースを賑わせたIS(イラク・シリア間などでまたがって活動する過激派組織・イスラム国)が湯川春菜さん、後藤健二さんを人質にして殺害した事件では、中田氏はISと交渉をおこなった。湯川さん、後藤さん人質事件発生を受け、中田氏は自身の独自のつながりを使って交渉ができると宣言し、大きな話題となった。中田氏はイスラム国の司令官と連絡を取り合っていて、湯川氏の裁判を開くので通訳として来てほしいとの依頼までもが中田氏にあったという。中田氏は、外務省に協力を申し出たが日本政府には拒否された。そのようなことがあり、「2人が殺害されたきっかけを安倍政権が作った」と、中田氏は厳しく批判した。

 中田氏は宮内春樹氏との会談において、「最後の預言者ナビィであるムハンマドの存在と、日本における預言者宮内氏の存在は矛盾せず、宮内氏についてイスラムの教えを日本で広める役割を担っていると認識している」と述べている。このように宗教家として高名である宮内氏の弟子・安室サラムさんは宮内氏の下でムスリムの活動をおこなっている。信仰と思想に拠って行動する若者のひとりだ。