>  > いいこと教えてやろう少年よ 関西のヒネならお望み通り撃ち殺してくれるぞ
元極道の異色作家・沖田臥竜のニュース解説  「プロ」はニュースはこう読む!

いいこと教えてやろう少年よ 関西のヒネならお望み通り撃ち殺してくれるぞ

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2月29日午後11時ごろ東京都日野市で、「路上で男性が刺されている」と通行人から110番通報があり警察官が駆けつけたところ、倒れていた20代の男性と包丁を持っていた男を発見。警察官も刺すような素振りを見せたため、威嚇発砲で身柄を確保して現行犯逮捕しました。犯人は15歳の少年で、包丁のほかには、熊手のような形をした自家製の武器を持っていました。調べに対し少年は「警察官を攻撃して、拳銃で撃ってほしかった」と話しています。


そんなに警官に撃たれたいなら次は関西でやれ


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写真はイメージです

 この少年は、一人でテロでも起こすつもりだったのであろうか。

 20代の男性との因果関係はわからないが、多分被害者の人と少年の間に接点はないであろう。

 かりに接点のない相手を刺し、駆けつけたパトカーの窓ガラスを自家製の武器で叩き割り、なおかつ警察官まで刺してしまおうと考えたのであれば、もはやテロ犯罪ではないか。

 ただ、この孤独な少年は、警察官を刺そうとはしたものの、警察官に威嚇発砲され、逮捕されてしまっている。少年も警察官も無傷であったところをみると、発砲に怖じ気づいてしまったのであろう。

 なにが少年をテロへと駆り立ててしまったのかはわからない。好きな娘さんと思いを遂げられなかったのか、友達がいなくて仲間はずれにされていたのか知らないが、どのような理由があったにせよ、この行為がどれだけ両親に迷惑をかけることになってしまうか考えたことがなかったのだろうか。

 自家製の武器を手にしていた時点で、少年の心の中の薄暗い闇が見え隠れしてしまう。少年はどういう気持ちで自家製の武器を制作?していたのであろうか。その作業は、まさに孤独以外の何者でもない。

 だが実際、この少年が命拾いしたことは、確かである。

 昔、留置場の運動場で爪を切りながら、世話になった警察官と世間話していたときのことだ。たまたま話題が、今回のような場面に遭遇したらどうする?みたいなものになったことがあった。

 その警察官は、微塵の戸惑いも見せずにこう応えた。

「暴漢が襲いかかってきたらってか? 脳天ブチ抜くに決まっとるやろ。相手も殺す気で来とんのやろ? 迷わず脳天めがけて引き金を引くなあ」

 ま、この回答は回答で問題あるような気がするが、故意ではなくとも脳天や胸を撃ち抜いてしまうケースもなくはないだろう。

 今回は非常に冷静沈着な警察官だったため少年を傷つけることなく制圧できたが、かりに脳天をブチ抜いてしまったとしても「適切な発砲である」として処理されていただろう。

 そうやって考えると、この孤独なテロリストは今回、命拾いをしたと言えるのではないか。




沖田臥竜
兵庫県尼崎市出身。日本最大の暴力団組織二次団体の元最高幹部。前科8犯。21歳から29歳までの8年間服役。その出所後わずか半年で逮捕され、30歳から34歳までまた4年間服役と、通算12年間を獄中で過ごす(うち9年間は独居)。現在、本サイトで小説『死に体』を好評連載中。