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憂国我道会・山口祐二郎の「行動する若者たち」シリーズ

山口祐二郎が21歳の「セックスボランティア」嬢に会ってきた

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都市伝説のような印象を持たれているセックスボランティアという仕事。身体障がい者に対して性的な介助をしてお金をもらう労働のことである。10年ぐらい前にメディアで話題になり、少しは世に存在を知られるようになったのだが、まだまだ世間には広く認知されていない。今回は謎に包まれたセックスボランティアの実態に迫った。(山口祐二郎)


セックスボランティアってなんだ?


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 セックスボランティアとはいえ性的なサービスをする場合、現段階では風俗店の許可証が必要である。オランダなどでは制度化もされていて、一部の市などでは助成金まで出している。しかし、日本では障がい者の性というとタブー視されているのか、まだまだ謎多き世界とされている。デリケートな話題からかあまり触れられていないが、実際には身体障がい者の男性専門のデリバリーヘルス店はすでに数多く存在している。

 ネット等で検索すればすぐに出てくる。もちろん身体障がい者相手の性的行為は、知識がなければ心身にダメージを与えてしまうかもしれない危険が伴う。つまりスタッフはタダのデリヘル嬢ではなく、介護職の資格を取得しているデリヘル嬢がほとんどなのだ。

 バリアフリー化する昨今。障がい者だって、みんなと同じように欲はある。食欲、睡眠欲、そして性欲。繁華街を歩けば、キャバクラや風俗店は沢山ある。それはキャバクラや風俗で働く女性がいて、キャバ嬢や風俗嬢のサービスに癒される男がいるからである。障がい者だって同じ人間だ。私たちと何も変わらない。障がい者専門のサービスをする風俗店があって然るべきであろう。セックスボランティアは、「18歳以上の在宅身体障がい者は全国で349万人いる」と言われている現在、もっと社会的にも認められていく必要があるだろう。

 そして、なぜ今回、仕事であるセックスボランティア団体で働くスタッフを取材したかというと、セックスボランティアはほとんど無償の仕事であるからだ。セックスボランティアが盛んなオランダなどの海外でもそうであるが、値段の相場は通常の風俗店よりも低価格なリーズナブルさだ。なぜ料金が安いのか。それは障がい者が抱える性問題への貢献をする、社会活動だからである。

 どうして、このような低収入な中でセックスボランティアとして働くのだろうか。私は、あるセックスボランティア団体でスタッフとして射精介助の活動をする、派手な茶髪のギャルの容姿のマユさん(21歳・仮名 風俗店勤務)にインタビューをした。


はじめは常連客に頼まれて仕方なく


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──(山口)本日はインタビューを受けていただき、ありがとうございます。

マユ よろしくお願いします。

──まず、マユさんがなぜセックスボランティアの活動をしているかを教えてください。

マユ 新宿の風俗店で働いていたんですが、そこで常連のお客さんに相談されたのがきっかけです。一緒に住んでいるというお客さんの弟は、高次脳機能障がいで下半身不随だと聞きました。知的には問題なくて、ただ脳神経がおかしくなっちゃったんです。仕事はできないし、歩けないし、どこにも行くことができません。でも、性欲はあるんです。性器は正常ですからね。それで困っていると相談を受けたんです。それでその日は終わったんですが、また後日に相談を受けてたくさんお金ももらいました。仕方がなく断り切れなくなって、お客さんの弟さんの相手をすることになったんです。

──きっかけはお客さんの家族だったんですね。切実な相談ですね。それで性的な介助をしてあげたのですか?

マユ はい。お客さんの家に行き、弟さんと話をしました。それで「セックスしたい」と言われたんです。「俺は何もできない。やっぱりそういうことを考えちゃう。女性を抱けないと考えると、悔しくて涙が出る」と泣いていました。交通事故の一瞬で障がい者になってしまったことを、振り返り嘆いていました。それで可哀想で、嫌嫌でしたがセックスをしたんです。キスはNGという条件でフェラとか手コキをしました。そしてゴム(コンドーム)を付けて、騎上位でセックスをしました。本当はキスをしてあげれば良かったんですが、どうしてもその時はできなかったんです。

──SEX中はお客さんの弟さんは、どんな様子でしたか?

マユ SEX中は無言でしたね。私も無言でした。お互い気まずいですし、何か弟さんから申しわけなさみたいなのを感じました。終わった後、お客さんが涙を流していたんです。「こんな嬉しくて涙を流す感情は久しぶりだ。ありがとう」と感謝されたんです。最初は乗り気じゃなかったですし、お金のためにSEXしましたが、そういう涙を流す感情に出会い感動したんです。たぶんこれは悪いことじゃないなと思いました

──それからすぐにセックスボランティア団体に入ったのですか?

マユ そうですね。私がスタッフをしている団体はセックスボランティアでは有名で、ネットで調べたらすぐにホームページが出てきました。それでコンタクトを取り、セックスボランティアとして活動するようになりました。まだ、1年ぐらいですけどね。私は風俗嬢なので射精介助に抵抗もそれほどはなかったですし、セックスボランティアがきっかけで介護の勉強もするようになりました。だけど、お金が大変ですから、今も風俗で働いています。